[本文]
-
- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究省
- 元記事公開日:
- 2023/02/24
- 抄訳記事公開日:
- 2023/04/04
-
ウクライナの学生、研究者、教師との連帯の1年
Un an de solidarité avec les étudiants, chercheurs et enseignants d’Ukraine
- 本文:
-
(2023年2月24日付、高等教育・研究省(MESR)の発表の概要は以下のとおり)
ロシアのウクライナ侵攻に伴ってフランスの高等教育機関や研究機関が進めている、ウクライナの学生、研究者、教員らへの支援は、スタートから1年が経過した。
フランスの高等教育機関は、高等教育・研究省とも連携し、ウクライナから避難している学生をコースに受けいれてきた。そのうち2,000人以上が、現在フランスで学んでいる。
またフランスは昨年夏、ウクライナ政府の要請により、フランスからリモートでウクライナの高等教育機関の試験を受ける際の支援も行った。学士号(NMT)や修士号(MCT)の取得を目的としたこれらのオンライン試験が適切に行われるよう、パリ(PSL、ソルボンヌ大学)、マルセイユ(エクス・マルセイユ大学、XPスクール)、ボルドー(ボルドー大学)にインターネットアクセスと試験官を擁する試験センターが設置された。
ウクライナからの240人の研究者もフランスの研究所に迎え入れている。これは、特に「亡命中科学者の緊急受け入れ支援プログラム(PAUSE)」によるものである。2017年1月にコレージュ・ド・フランスによって策定されたこのプログラムは、専門職としての活動を行うことができなくなり、本人と家族の命が危険にさらされている国から、あらゆる分野の研究者をフランスに迎え入れることを目的としている。共同出資の奨励金を通じて、高等教育機関や研究機関における1年間(更新可能) の採用を促進するものである。ウクライナ情勢の緊急性と稀に見る重大性に対応するため、PAUSEプログラムでは緊急連帯基金を設置した。MESRから700万ユーロ強の特別資金提供を受けたほか、ロレアル財団からも多額の寄付(30 万ユーロ)を受けている。
こうした制度に加えて、この施策を強化するため、国立研究機構(ANR)は、PAUSEプログラムを補完する形で資金提供を行うことにより、研究所や研究プロジェクトにおけるウクライナ人研究者との協力や受け入れを奨励している。
同省は、最近設立されたウクライナ数学センター(ICMU)に20万ユーロの支援も行う予定である。
[DW編集局]