[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2023/03/08
抄訳記事公開日:
2023/04/03

バイデン政権、製造業強化と排出量削減のためによりクリーンな産業を推進

Biden-⁠Harris Administration Advances Cleaner Industrial Sector to Boost American Manufacturing and Cut Emissions

本文:

(2023年3月8日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、バイデン政権は、米国の競争力向上、製造業の雇用拡大、そして米国の排出量の4分の1近くを占める鉄鋼・アルミニウム・化学品・コンクリートの生産などの産業部門の温室効果ガス排出削減を目指す、新たな行動計画を発表した。

■エネルギー省(Department of Energy:DOE)は、産業排出削減と健康的な地域社会の構築に向け、米国史上最大となる産業脱炭素化への60億ドルの投資を発表した。これは脱炭素プロジェクトの進行を早め、新興のグローバルなクリーンエネルギー経済への参入による恩恵を米国産業に提供するものである。

■バイデン政権は主要12州(カリフォルニア、コロラド、ハワイ、イリノイ、メイン、メリーランド、マサチューセッツ、ミシガン、ニュージャージー、ニューヨーク、オレゴン、ワシントン)との「連邦‐州バイ・クリーン・パートナーシップ(Federal-State Buy Clean Partnership)」の開始を発表した。各州は州が資金を提供するプロジェクトにおいて、より低炭素なインフラ資材の調達支援を優先し、市場に調和のとれた需要シグナルを送るために協力してきたが、これに伴い米国気候同盟(U.S. Climate Alliance)は参加メンバーによる州レベルでの「バイ・クリーン・イニシアチブ」の推進を支援する旨を発表した。

■3月3日に大統領府とDOEは官民セクターのリーダーをホワイトハウスに招集して円卓会議を開催し、米国の競争力向上、製造業の拡大、産業部門の脱炭素化をいかに進めるかについて議論した。

■「連邦バイ・クリーン・イニシアチブ(Federal Buy Clean Initiative)」はバイデン大統領の経済計画の一部であり、エネルギー関連産業が拡大するにつれて、サプライチェーン全体でクリーン材料を調達することが重要になっている。

本日の発表は、産業部門の需要側と供給側の両方からの排出量削減に向けた、下記のようなバイデン政権発足後2年間の進捗を踏まえたものである:

1.クリーン製造へのインセンティブ強化:インフレ抑制法は、適格先進エネルギー・プロジェクト・クレジット(Qualifying Advanced Energy Project Credit)プログラムへの100億ドルの投資を提案している。先月、財務省および内国歳入庁は、DOEと共同で、クリーンエネルギー技術や重要素材の米国内サプライチェーンを拡大するプロジェクトや、産業施設での温室効果ガス排出を削減するプロジェクトに対して、税額控除の第一弾として約40億ドルを支出する方針を明らかにした。

2.産業界の脱炭素化イノベーションの加速:DOEは、産業部門全体で排出削減効果の大きい応用研究・開発・実証プロジェクトの推進に、約1億5,600万ドルの資金提供を行う意向を発表した。

3.クリーン水素の可能性開発:DOEは現在、水素の供給と消費を結ぶ革新的なネットワークを開発するための80億ドルの「地域クリーン水素ハブ(Regional Clean Hydrogen Hubs)」プログラムへの申請を募集中である。DOEは、クリーン水素電解槽のコストを大幅削減するために7億5,000万ドルの拠出を発表している。

4.「バイ・クリーンタスクフォース」を通じて、連邦政府はクリーンな調達を推進し、低炭素製品の需要を喚起している。 政府一般調達局、運輸省の連邦高速道路局、環境保護庁は、インフレ抑制法で資金提供する低炭素の鉄鋼、コンクリート、アスファルト、板ガラスの調達基準を確立するため、協力して関係者の意見を取り入れている。

5.国防総省は、基地兵舎などの新規建設・改修において、低炭素製品など持続可能な材料を導入するためのパイロットプロジェクトを採択した。

6.連邦緊急事態管理庁は、災害公的支援プログラム、災害軽減助成プログラム、強靭なインフラ・地域社会構築助成プログラムにおいて、インフレ抑制法で定められた低炭素資材使用に関する権限の履行を準備している。

7.住宅都市開発省は、低・中所得者や歴史的に疎外された地域の多世帯住宅を支援する「グリーン&レジリエント・レトロフィット・プログラム」へのインフレ抑制法による資金10億ドルを通じて、低炭素建築資材[利用]への支援を行っている。

[DW編集局]