[本文]
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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国家科学技術会議(NSTC)
- 元記事公開日:
- 2023/03/17
- 抄訳記事公開日:
- 2023/04/17
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米国航空科学技術の優先課題に関わるNSTC報告書
- 本文:
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(2023年3月17日付、国家科学技術会議(National Science and Technology Council:NSTC)の標記発表の概要は以下のとおり)
[編集局注:以下では、NSTC航空技術省庁間ワーキンググループによる報告書「米国航空科学技術に関わる優先課題(National Aeronautics Science & Technology Priorities)」の概要を紹介する]
航空機の開発以来、米国は航空学の研究と技術において世界をリードしてきた。航空技術における米国の世界的なリーダーシップを維持するための政府ビジョンを示すべく、米国の航空戦略上の最優先課題と政府の指針を反映して作成された本報告書は、「2006年航空研究開発政策(2006 National Aeronautics Research and Development Policy)」を更新し、置き換えるものである。
政府が掲げる航空戦略上の最優先課題は、以下の3つである:
(1) 持続可能な航空産業の実現
(2) 国家空域システムの変革
(3) 接続性と速度の向上政府は、「米国2021年航空気候行動計画(U.S. 2021 Aviation Climate Action Plan)」と連邦政府各省庁の「気候適応計画(Climate Adaptation Plans)」を実施することにより、航空産業からの温室効果ガス排出を削減し、最終的にはゼロにするために、持続可能な航空産業の実現に取り組んでいる。航空分野における米国の優位性を維持するためには、データ、ソフトウェア、自動化、人工知能の利用を拡大し、ドローン、次世代空モビリティ(Advanced Air Mobility:AAM)航空機、その他の新興技術を国家空域システムに統合する必要がある。政府はまた、レガシーシステムを変革し、規制および運用体制を近代化し、適応させる予定である。さらには亜音速から極超音速まで、速度を重視した優れた航空機と技術によって、国家安全保障を維持、強化、前進させるための投資を継続することとしている。また政府は、利用頻度の低い空港や十分なサービスを受けていない地域への接続を増やすAAMの開発支援や、航空運賃の低下をもたらす競争力のある航空業界の育成を通じて、接続性を向上する。
すべての優先課題において、政府の取り組みは、米国の永続的な価値観を反映した以下の原則に従って行われる:(1)安全、(2)環境、(3)経済的競争力、(4)イノベーション、(5)セキュリティ、(6)労働力、(7)公平性
今日の選択と投資が、米国の未来の競争力を左右することになる。合衆国の意図は、これらの優先課題と原則を重視することによって、政府および民間部門の航空関係者が、これらの目標達成に向けて協調して活動できるようにすることにある。米国は、画期的な研究開発、効率的かつタイムリーな規制の実施、国内外のパートナーとの緊密な協力を通じて、航空技術のイノベーションにおける国際競争力を維持していく。政府は、上記の3つの航空戦略優先課題を達成することで、21世紀以降も米国が航空分野で世界のリーダーであり続けることを確実にする。
[DW編集局]