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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- 連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省(BMUB)
- 元記事公開日:
- 2023/04/16
- 抄訳記事公開日:
- 2023/04/18
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原発が終焉 最後の3基を停止
Abschaltung der noch betriebenen Reaktoren gemäß Atomgesetz (AtG) Atomkraftwerke in Deutschland
- 本文:
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連邦環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省(BMUB)は16日、ドイツ国内で最後まで稼働していた原子炉3基の運転が、15日までに完全に停止したと発表した。これにより、ドイツの原子力発電は完全に終了した。同省は「原子力の安全性が大幅に向上する」としている。
BMUBの発表によると、最後まで運転していたのは、イザール原発2号機(南部バイエルン州、総発電量1,485メガワット)、エムスラント原発(北部ニーダーザクセン州、同1,400メガワット)、およびネッカーヴェストハイム原発2号機(南部バーデン=ビュルテンベルク州、同1,400メガワット)。いずれも1988年に試運転を始め、同年から翌89年にかけて商用運転に入った、国内で最も新しい原子炉だった。
当初、連邦政府は22年末ですべての原発を停止する予定だったが、ロシアのウクライナ侵攻に伴ってエネルギー供給が不安定化したため、22~23年冬季のエネルギー需要の増加に対処する目的で原子力法を改正し、運転の期限を4月15日までとしていた。
BMUBが3月30日に発表したプレスリリース(https://www.bundesregierung.de/breg-de/aktuelles/weiterbetrieb-kernkraftwerke-2135796)によると、ドイツがかつてロシアから輸入していた天然ガスは、ノルウェーやオランダなどからの輸入によってまかなわれている。さらに天然ガスターミナルの建設も進め、「将来的には水素パートナーシップも始める」としている。
また廃炉について、シュテフィ・レムケBMUB大臣は同じプレスリリースで「私たちには何十年にもおよぶ作業が残されている。かつて国内では 33 基の原発が稼働していたが、完全に解体されたのはまだ 3 基だけだ」とコメント。今後は全国に残る炉の解体とともに、放射性廃棄物の最終処分場への保管作業にも長い時間をかけて取り組むことになる。
[DW編集局]