[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2023/03/23
抄訳記事公開日:
2023/04/21

BMBF大臣、がん研究者を鼓舞する、新たな研究助成アプローチを提案

Stark-Watzinger: Forschende mit neuem Förderansatz bei der Krebsforschung herausfordern

本文:

(2023年 3月23日付、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の標記発表の概要は以下のとおり)

BMBFは、がん研究の主要な未解決の問題に取り組む研究に、最大1,800万ユーロを助成する新たな資金提供のガイドラインを発表した。

ベッティーナ・シュタルク=ヴァッツィンガー(Bettina Stark-Watzinger)BMBF大臣は、次のように述べた。

「2人に1人が、生涯のうちにがんを発症する。私たちは、がんの予防、早期発見、より効果的な治療の開発を目指さねばならない。これを達成するために、研究者達を鼓舞する新たな資金提供の手法に、最大1,800万ユーロを提供する。「グランド・チャレンジ(Grand Challenge)」と呼ばれるもので、すべての研究者に、がん研究における主要な未解決の問題、すなわち、
・なぜがん細胞はそれほどに適応能力が高いのか
・免疫療法の可能性をより有効に活用するにはどうすれば良いか
・どうしたら転移に対してより効果的に対処できるか
といった問題に取り組むことを求めたい。これらの未解決の問題の一つに取り組む応募の中から、イノベーションの可能性が最も高いアプローチを選び、最大2つのチームに資金を提供する。新たな知見を得て、がんの個別化治療に大きな弾みをつけ、患者にとって目に見える進歩を成し遂げたいと考えている」

がん研究における主要な未解決の問題に取り組む研究団体への資金提供に関する新たなガイドラインは、BMBFの「国家がん対策10年計画(Nationalen Dekade gegen Krebs:NDK)」の戦略上の中心的な要素である。NDKは、ドイツの主要ながん研究者を結集し協働させる初めての試みである。これには、BMBF、連邦保健省(BMG)、ドイツがん研究センター(DKFZ)、ドイツがん援助協会に加えて、2つの患者代表組織も含まれている。他の関係組織も含め、合計17のパートナー組織が戦略グループを形成し、原動力として機能している。

研究を通じてがん患者のケアと生活の質を向上させるため、戦略グループは、ワーキンググループを立ち上げた。NDKのワーキンググループでは、がん研究の専門家が、中心的な研究課題を定義し、解決策を練っている。BMBFにとって重要なことは、最初の段階から、患者がプロジェクトの形成に参画することである。

[DW編集局]