[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
首相府投資総務庁(SGPI)
元記事公開日:
2023/03/31
抄訳記事公開日:
2023/04/28

「フランス2030」:サイバーキャンパス転換プログラムを開始

France 2030 : Lancement du Programme de Transfert au Campus Cyber

本文:

(2023年3月31日付、首相府投資総務庁(SGPI)の標記発表の概要は以下のとおり)

国立情報科学・自動化研究所(INRIA)が運営する「転換プログラム」として創設された共同プロジェクトであるサイバーキャンパスが発足して約1年が経過した。となる現在、このプログラムは、全ての利害関係者を動員して組織する段階から、その活動を実施に移す段階に入っている。2023年3月31日に開始され、国家情報システムセキュリティ庁(Agence nationale de la sécurité des systèmes d’information:ANSSI)を初め、研究、産業、公的部門の関係者間のダイナミックな相互交流を促進することを目指している。

サイバーキャンパス転換プログラムは、政府の5か年投融資計画「フランス2030」の国家サイバーセキュリティ戦略の枠組みから資金提供されており、概要は以下のとおりである。

コミュニケーション、レジャー、仕事、消費など日常生活のあらゆる分野でデジタル化が進行しているが、依然この分野には外国プレーヤーが多い。「フランス2030」は、サイバーセキュリティ、クラウド、人工知能、5G/6G、量子などの安全なデジタル技術主権を確保するために40億ユーロを投資している。

このプログラムはサイバーセキュリティ国家戦略の一環として、5年間で4,000万ユーロの資金が提供される。運営はINRIAが担当し、特にサイバーキャンパスの共同した力と地域の通信網に依存している。この共同した力を利用して学術、産業、政府の関係者の間の共同プロジェクトを促進し、公的機関の研究成果、スキルや技術をすべて地域のサイバーセキュリティエコシステムに転換することを目的としている。特に企業の技術的障害等に対して公的研究機関が関与し、技術移転を支援するための交流を活発化し、伝達の文化を醸成することを目指している。

具体的な研究内容は、以下のとおりである。

▽企業の戦略的課題に対する公的研究機関の参加を活性化し、主権とサイバーセキュリティの問題に対応するパートナーシップ研究の実施
▽革新的サイバーセキュリティ製品の市場化の加速、スタートアップ等のコンソーシアムによる公的研究からの転換計画の実施
▽企業ニーズを満たす施設や主要研究大学の研究成果であるスキルと知識を活用したサイバーセキュリティの新しい高度なトレーニングの開発
▽サイバーセキュリティエコシステムの認識を高めるプログラムとして、テストやモデリングためのファブラブ(FabLab)の用意、ソリューションのテストや評価のための仮想環境の作成、およびオープンソースのソフトウェアベースに関連するコンピューティングおよびストレージ容量の提供

このプログラムについて、INRIAサイバーセキュリティプログラム責任者であるユベール・デュオー(Hubert Duault)氏は、起業支援やプレーヤー育成に効果的であると評価し、また「フランス2030」を担当するSGPI長官のブルーノ・ボネル(Bruno Bonnell)氏は、INRIAの経験とサイバーキャンパスでの豊富な交流を活かすものであると強調している。

[DW編集局+JSTパリ事務所]