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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2023/03/29
- 抄訳記事公開日:
- 2023/04/28
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民主主義のためのテクノロジーの推進
- 本文:
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(2023年3月29日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり)
デジタル革命の第一波は新たなテクノロジーによる民主主義と人権のサポートを約束したが、第二波では権威主義的な反動が起こった。現在、米国と他の民主主義諸国は、デジタル革命の第三波が、強靭性、誠実性、開放性、信頼、安全性を特徴とし、民主主義の原則と人権を強化する技術エコシステムの実現に結びつくよう協力している。
バイデン大統領は、第1回民主主義サミットにおいて、「民主主義再生のための大統領イニシアティブ」を立ち上げた。その中で示された民主主義のためのテクノロジーの発展に関するアジェンダは、民主主義国が個人の尊厳と経済的繁栄へのテクノロジーの寄与を肯定し、抑圧、統制、分断、差別、権利剥奪のようなテクノロジーの誤用と悪用に抗する姿勢を明らかにすべきとしている。
第2回民主主義のためのサミットの一環として行われた米国主催のイベントでは、次の3つの主要テーマが取り上げられ、関連の活動が紹介された。
①デジタル時代における民主主義とインターネットの自由の推進: 第1回民主主義サミットの後に発表された「インターネットの未来に関する宣言(Declaration for the Future of the Internet)」と「AI権利章典のための青写真(Blueprint for an AI Bill of Rights)」は、将来ビジョンの基礎の形成に寄与するものである。現在、バイデン政権は、米国のデジタルデバイドを解消するために歴史的な投資を行うとともに、民主主義の原則と人権に沿ったバイオテクノロジーの形成を支援するための基盤を築いている。
②テクノロジーの悪用とデジタル権威主義の台頭への対策: 独裁的な政府は、AIによる大規模な監視や検閲など、テクノロジーを国内外での市民の抑圧に用いている。また、商用スパイウェアやオンラインでの嫌がらせなど、テクノロジーの誤用・乱用は民主国家でも同様に起こりうる。このため、バイデン政権は、第2回民主主義サミットにおいて、商用スパイウェアの使用に関する垂範、国際協力の深化、政府による監視技術利用に関する新原則の支持、輸出規制への人権の視点の導入など、デジタル弾圧と多角的に戦うための包括的な取組を発表した。
③人権と民主主義の原則を尊重するための新興テクノロジーの開発: AIやバイオテクノロジーなどの新興テクノロジーは社会全体を根本的に作り替える力を秘めているが、同時に人権と基本的自由に関わる新たな課題とリスクももたらしており、イノベーションと進歩が民主主義の価値や人権の尊重を犠牲にすることがないようにしなければならない。バイデン政権は、「AI権利章典のための青写真」以外にも国立標準技術研究所(NIST)による「AIリスクマネジメント・フレームワーク(AI Risk Management Framework)」などの目標達成に向けたロードマップとなる政策文書を発表している。さらに、「連邦政府による人種間の公平性と恵まれない地域への支援のさらなる推進」に関する大統領令14091や「持続可能で安全・安心なバイオエコノミーのためのバイオテクノロジーとバイオ製造のイノベーション」に関する大統領令を発出して取組を進めている。
[DW編集局]