[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
首相府投資総務庁(SGPI)
元記事公開日:
2023/05/11
抄訳記事公開日:
2023/06/06

「フランス2030」:重要鉱物・金属に特化した投資基金の設立を発表

France 2030 : le Gouvernement annonce le lancement d’un fonds d’investissement dédié aux minerais et métaux

本文:

(2023年5月11日付、首相府投資総務庁(SGPI)の標記発表の概要は以下のとおり)

フランスのマクロン大統領は5月11日、産業界関係者を集め、産業の活性化の加速を目指した新たな措置およびエネルギー転換に必要な重要鉱物・金属に特化した投資基金の設立を発表した。

2021年以降、政府は5か年投融資計画「フランス2030」を開始し、特に成長と雇用、産業の持続可能な発展を優先した基金などによって、企業の創出や工業化、その成長を加速させてきた。今回の基金は、インフラビア(InfraVia)が管理し、「フランス2030」の枠組みの中で国が補充する最大5億ユーロを含め、全体で最大20億ユーロの資金調達を目指す。国からは預金供託公庫(Caisse des Dépôts)が運営に参加する。

また今回の基金は、ブリュノ・ルメール経済・財務・産業・デジタル主権大臣など、政府が主導する重要金属戦略の枠組みで、フランスと欧州の鉱山関係者らとともに、国内および世界の重要鉱物・金属のバリューチェーン(抽出、転換、リサイクル)に関連するプロジェクトに投資するものであり、支援するプロジェクトには最良の社会基準および環境基準が適用される。

この措置は、エネルギー転換上必要な重要金属の確保に関わる「フィリップ・ヴァラン報告」を受けて、2022年に政府がすでに導入した方策、特にこの分野の研究開発などの展開を支援する「フランス2030」計画である「重要金属」プロジェクトの公募、フランスの地質および外交専門家を結集する「フランス産業部門鉱物資源観測所(OFREMI)」の設立を補完するものである。この基金は、欧州連合の供給確保戦略にも沿ったものであり、国際的な計画における同様の手段と協調することを目指している。

エネルギー転換にあたっては、特に電気自動車などの普及により、リチウム、ニッケルなどの重要鉱物・金属の必要性が高まっている。複雑化する世界経済や地政学的状況の中で、これらの資源にアクセスできることが、フランスと欧州の産業における供給の主権確保とエネルギー転換を成功させるための課題であり、産業をグリーン化する条件となっている。

フランスが重要金属の供給を独自に確保できれば、「責任ある採掘」に関わる最高基準に従う資源の抽出および転換を世界中で保証することになり、フランスの社会的・環境的価値を高めることができる。

[DW編集局]