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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立科学研究センター(CNRS)
- 元記事公開日:
- 2023/05/24
- 抄訳記事公開日:
- 2023/06/09
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ヴィヴァテック(Vivatech)におけるCNRS:未来の重大な挑戦を知る
- 本文:
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(2023年5月24日付、国立科学研究センター(CNRS)の標記発表の概要は以下のとおり)
CNRSは、6月14~17日にパリで開催される欧州最大のスタートアップ見本市「ヴィヴァテック」に出展する。CNRSの出展は今回で4回目。
公的研究の成果の実用化を目指すCNRSは、その関連企業が1,400社以上にも及ぶディープテック分野の重要なプレーヤーである。今回CRDSが出展するブースでは、アラン・アスペ(Alain Aspect)氏(2022年ノーベル物理学賞受賞)の講演等さまざまなプログラムを用意。さらに技術移転促進機関(SATT)とも連携して、量子技術持続可能な開発、健康、エネルギーの分野などに関わるスタートアップ10社を紹介する予定である。
10社の概要は次の通り。
▽シルコア社(Cilkoa:2022年設立)は、ナノセルロース系材料とセラミック系材料というバイオベースのハイブリッド材料の新しい製造方法を用い、セルロース100%のソリューションを開発する。
▽マブリンク・バイオサイエンス社(Mablink Bioscience:2018年設立)は、がん細胞のみを標的とする抗がん剤を用い、より有効な抗がん剤の実現に取り組む。
▽エグザイル・システム・カンティック社(Exail Systèmes Quantiques:2011年設立)は、地球物理学的用途のために重力加速度を測定できる絶対量子重力計を世界で初めて開発した。
▽ワン・バイオサイエンス社(One Biosciences:2020年設立)は、単細胞技術と人工知能を組み合わせた、難病治療に対する新しい精密医療を開発する。
▽リサイクエリット社(Recyc’Elit:2019年設立)は、プラスチック廃棄物やポリエステル繊維をリサイクルするプロセスを開発する。
▽レゾルブ・ストローク社(Resolve Stroke:2020年設立)は、安全かつ数分で血管を画像化できる初の高精細3Dデジタル超音波スキャナーを開発する。
▽シカンス社(Siquance:2022年設立)は、シリコンやチップ製造に関わる独自技術を用いて2030年までに高速かつ高精度な汎用量子加速器を開発する。
▽スパーク・クリーンテック社(Spark Cleantech:2021年設立)は、電気分解よりも5倍少ない電力で水素を製造するプロセスを開発する。
▽VHキャトルヴァントレーズ社(VH Quatrevingtreize:2017年設立)は、水流エネルギーで発電する潮流タービンにより、安全で予測可能なエネルギー生産を実現する。
▽ウィーリンク社(Welinq:2022年設立)は、量子コンピュータ同士を接続し、計算能力の飛躍的向上を図る最も効率的なソリューションを開発する。
このほかCNRSのブースでは、CNRSにおける技術開発に関する円卓会議、「イノベーションと将来の展望に関するCNRS Talks」の展示、上記10社のうち7社を支援したSATTによる幅広い支援の現状等の展示を行う。
「CNRSは、フランスと欧州のイノベーションの原動力であり、ヴィヴァテックに参加し、ディープテックに貢献する最高の研究成果を紹介したい。今年は、画期的なプログラムを用意し、研究とイノベーションの関係を実例として示したい」と、アントワーヌ・プチ理事長は強調する。
[DW編集局]