[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構(UKRI)
元記事公開日:
2023/05/03
抄訳記事公開日:
2023/06/14

欧州天文学の今後の方向を示す最近の報告書

New report sets course for future of European astronomy

本文:

(2023年5月3日付、英国研究・イノベーション機構(UKRI)による標記発表の概要は以下のとおり)

国際的な天文学者コンソーシアムによる最新の報告書は、今後10年間で我々の宇宙に対する理解を一変させる提言をしている。「ASTRONET科学ビジョン・基盤構造・ロードマップ(2022~2035年)」は、欧州の資金提供機関や研究機関からなるASTRONETネットワークによって作成された最新の包括的ロードマップである。ネットワークには、国科学技術施設会議(STFC)が含まれている。ASTRONETは、独立したコンソーシアムであり、その目的は、科学における最大の疑問のいくつかを問うために多様なグループを招集することにより、欧州の天文学全体に共通の科学ビジョンを策定することである。

旧版のASTRONET科学ビジョン・基盤構造・ロードマップ(2007年発表、2015年改訂)には、次のようなプロジェクトの提案に繋がる提言が含まれていた。
・チリの欧州南天天文台(ESO)超大型望遠鏡
・マンチェスター近郊に本部を置くSquare Kilometer Array Observatory(SKAO)

上記のような提言を通じて、ASTRONETロードマップは、研究コミュニティ全体の利益となる貴重な情報源となっている。

報告書の提言は次のとおりである。

・ブラックホールやその他の極端な現象からの超高エネルギー・ガンマ線を検出するためのチェレンコフ望遠鏡アレイの時機を得たな建設
・ブラックホールの研究や天体からの重力波の検出と正確な測定などを目的とした、「欧州宇宙機関アテナ衛星ミッション」および「レーザー干渉計宇宙アンテナ・ミッション」の採択
・ESO超大型望遠鏡の能力を向上させるための第2世代観測機器の開発
・天文学研究のためのより堅牢な環境フットプリント評価の導入、および宇宙科学の環境への影響を軽減する方法についての検討
・天文学における科学技術の進歩を促進する能力を確保するための人材への投資

[DW編集局]