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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州研究会議(ERC)
- 元記事公開日:
- 2023/06/20
- 抄訳記事公開日:
- 2023/07/07
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最も差し迫った課題への対処でEU長期予算を強化
EU budget: Commission proposes to reinforce long-term EU budget to face most urgent challenges
- 本文:
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(2023年6月20日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
今回の標記強化策では、EU予算が最も重要な目標を引き続き確実に達成できるよう、限られた優先領域に的を絞った強化を狙う。その主要な要素は次のとおりである。
・ウクライナに対する長期的な支援
2024年から2027年にかけて、ウクライナの緊急のニーズ、復興、EU加盟に向けた近代化に対応するため、総額500億ユーロの補助金、融資、保証に基づくウクライナ与信枠を設定する。
・移民の管理、パートナーシップの強化、緊急事態への対処
移民の域内外の側面やロシアのウクライナ侵攻の世界的な影響から生じるニーズに対処し、主要な第三国とのパートナーシップを強化するためのEU予算強化に150億ユーロを乙入する。
・欧州戦略的技術プラットフォーム(STEP)を通じた長期的競争力の促進
(デジタル技術・ディープテック、クリーン技術、バイオ技術の分野における)重要技術への投資を通じてEU産業界の競争力を支援するべく、欧州委員会は1,600億ユーロの投資能力を備えた新たな欧州戦略的技術プラットフォーム(STEP)の創設を提案している。
STEPは、InvestEU、イノベーション基金(Innovation Fund)、Horizon Europe、欧州防衛基金(European Defence Fund,)、復興・強靱化ファシリティ(Recovery and Resilience Facility:RRF)、EU4Health、Digital Europe、結束基金といった既存のプログラムを基盤として構築される。さらに、既存の資金提供をSTEPプロジェクトに振り向け、欧州のリーダーシップにとって重要とされる領域での実施を加速するべく、革新的でダイナミックな構造が構築される。重要なデジタル技術、ディープテック、クリーン技術、バイオ技術の開発・製造、そしてそれぞれのバリューチェーンに対する投資を促進するべく、欧州委員会はさらに、対象プログラムに追加で100億ユーロを割り当てることを提案している(InvestEUに30億ユーロ、Horizon Europeに5億ユーロ、イノベーション基金に50億ユーロ、欧州防衛基金に15億ユーロ)。これらの上乗せは、結束政策(Cohesion Policy)やRRFのインセンティブと合わせて、欧州の主権を促進するプロジェクトにおいて欧州企業による約1,600億ユーロの投資を生み出す可能性がある。
[DW編集局]