[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
経済・財務・産業・デジタル主権省
元記事公開日:
2023/07/24
抄訳記事公開日:
2023/07/31

「余剰金は計25億ユーロ」 経財省、主要研究機関に言及

RAPPORT AU PARLEMENT Évaluation de la qualité de l’action publique

本文:

 経済・財務・産業・デジタル主権省は24日、下院に提出した政策報告書のなかで、国立研究機構(ANR)や国立科学研究センター(CNRS)などの研究機関やファンディング機関について、内部に「余剰となりうる資金」が計約25億ユーロあると言及した。研究開発に直接かかわる資金ではないとみられるが、政府が2024年以降の予算で、こうした資金を削減する可能性もあり、動向が注目される。

 報告書は「公的施策の質的評価」と題し、ANRやCNRSのほか、国立教育研究文献センター(CNOUS)、産業財産庁(INPI)など、少なくとも20以上の機関の財政を調べた結果を述べている。これらの機関の合計として、報告書は「使途も示されず、特に運用もしていないとされる資金が計約25億ユーロあるとみられる。これらはいずれ余剰となりうる資金だ」と記述した。そのうえで「短期的には、政府予算はこうした余剰を適切に調整しなければならない。あわせて各機関が、枠組みに従って財政に関するレポートを改善していくことが必要だ」などと指摘した。

 政府は複数年研究計画法により、2021年以降は研究開発関係の予算を少なくとも30年まで増額する方針を決めている。一方で累積した財政赤字の圧縮のため、政府予算全体は減らしていく方針も示しており、政府は毎年、予算案作成で難しい判断を迫られている。今回の報告書の言及には、少しでも有効な財源を捻出したい意図があるとみられる。

[DW編集局]