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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 科学技術部(MOST)
- 元記事公開日:
- 2023/07/14
- 抄訳記事公開日:
- 2023/09/05
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中国、「炭素回収・利用・貯留に関する年次報告(2023年)」発表
- 本文:
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(2023年7月14日付、科学技術部の標記発表の概要は以下のとおり)
このほど、「中国炭素回収・利用・貯留(CCUS)に関する年次報告書(2023年)」が、「世界炭素回収・利用・貯留プロジェクト進展シンポジウム」において、発表された。報告書は、中国21世紀アジェンダ管理センター、世界炭素回収・貯留研究所、清華大学が主導し、北京大学、浙江大学、中国石油大学、中国科学院武漢岩土力学研究所、国家エネルギー集団が共同でまとめたものである。報告書は、中国のCCUS技術研究開発、プロジェクト実証、政策展開などを分析し、カーボンニュートラル目標を達成する上で中国のCCUS技術開発が直面する課題に対処するための提言を行っている。
報告書は次のように指摘している。中国は、計画、ロードマップ、技術目録など70以上のCCUS関連の政策的文書を発表し、CCUS技術の研究開発、規格、資金調達などの面において積極的な展開を行ってきた。カーボンピーク、カーボンニュートラルの目標の下、中国のCCUS技術はさまざまな分野で急速に発展し、実証プロジェクトの規模は拡大し、CCUS技術を応用する業種と部門は増加し続けている。現時点の統計によると、現在中国で計画・運営されているCCUS実証プロジェクトの総数は100件に迫り、電力、石油・ガス、化学工業、セメント、鉄鋼など幅広い業種に及んでいる。この内、半数を超えるプロジェクトが既に完成・稼働しており、二酸化炭素回収能力は400万トン/年以上、注入能力は200万トン/年以上となっている。
報告書によると、中国のCCUS技術開発は、大規模な実用化にはほど遠いレベルである。「双炭」目標を実現し、CCUS技術開発を促進するためには、カーボンニュートラルの目標に向けたCCUS技術体系の構築、重要技術の研究開発と大規模な集積・実証を推進しなければならない。関連する制度・法規や標準体系の策定を進め、すべての主体が効果的に参加できるビジネスモデルの形成を主導し、CCUSやその他のグリーン技術分野における国際的な交流・協力を引き続き深化させ、人材育成と能力建設を強化しなければならない。
黄晶中国21世紀アジェンダ管理センター主任は、「化石燃料を完全には放棄できないという条件の下で、CCUSは、「パリ協定」の温度コントロール目標を達成するために必要な技術である。報告書は、中国のCCUS技術開発の現状と動向を総合的に整理し、CCUS技術の排出削減の潜在力を統計的に評価するとともに、CCUSの技術経済性を科学的に分析している。その結論は、中国のCCUS技術開発を促進する上で積極的な意義を有する」と述べた。
[DW編集局]