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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 科学・イノベーション・技術省(DSIT)
- 元記事公開日:
- 2023/09/12
- 抄訳記事公開日:
- 2023/10/16
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最も治療困難ながんに取り組むハイリスク・ハイリターン研究に200万ポンドを助成
- 本文:
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(2023年9月12日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)の標記発表の概要は以下のとおり)
ミシェル・ドネラン科学・イノベーション・技術省大臣は本日、人工知能(AI)の活用を含め、治療が困難ながんに取り組む革新的な研究者に対して200万ポンドの資金提供を行うと発表した。
英国内の4チームが、それぞれ50万ポンドの助成を受け、脳、肺、食道など生存率の低いがんを治療する鍵となるハイリスク・ハイリターンのプロジェクトを推進する。
政府支援の医学研究会議(MRC)の資金提供を受ける4チームのうち、キングス・カレッジ・ロンドンは、AIが肺のスキャンを読み取り、治療抵抗性のがんかどうかをより正確に予測し得るかを解明する。このデータは、治療抵抗性のがん細胞を選択的に殺す標的薬の開発に使用される。
この投資は、先月発表された「医療におけるAIイノベーションの研究」への研究費1,300万ポンドに続くものである。
4件のプロジェクトは、臨床、生物医学、工学、物理学、データサイエンスなど、科学分野の枠を超えて新たな対話を促し、研究チームを結成するための2日間の「Sandpit(砂場)」イベント(対話型ワークショップ)を経て選抜された。各チームは、予防、診断、治療など、がん研究を推進するためのアイデアとソリューションを共同で考案した。
その他のプロジェクトには、レーザーを使用して脳腫瘍細胞を精密に除去する技術を開発するインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究がある。この技術は、正常細胞への悪影響を軽減するだけでなく、癌の性質に関するリアルタイムのデータを提供し、術後の治療に役立てることができる。
他にも、カーディフ大学とBrain Tumour Research財団は、脳腫瘍の部位に注入したクリオゲル(cryogel)から薬物を直接投与することで、血液脳関門透過の難点を排し、かつ標的以外の領域への薬物の影響を低減する可能性を研究している。
[DW編集局]