[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2023/09/21
抄訳記事公開日:
2023/10/25

米国と中央アジア5か国首脳サミット(C5+1)の共同声明

C5+1 Leaders’ Joint Statement

本文:

(2023年9月21日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり)

米国、およびカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの首脳は、第78回国連総会期間中にニューヨークで開催された初のC5+1首脳サミットにおいて、国連憲章の原則を堅持するとともに、さらなる協力関係の強化について、以下のような原則に合意した。

① パートナーシップによるレジリエンスの確保
2015年の第1回C5+1閣僚会合以来、共通の目標に向けて大きな進展を果たし、2022年のC5+1事務局の設立や、「経済、エネルギー・環境、安全保障に関する作業部会」を通じて、6カ国の関係はさらに深まった。6か国は、世界的な課題に対する地域的な解決策を模索するというC5+1の目標のもと、中央アジアにおける安全保障の強化、経済的レジリエンスの向上、持続可能な開発の支援、気候変動との闘い、平和の促進に向けた活動に引き続きコミットする。この共有ビジョンの達成には、相互尊重と国民に対する説明責任に根ざした持続的なパートナーシップが必要である。

② 安全保障協力の拡大
地域の安全保障上の課題に対処し、中央アジア諸国の主権と独立を維持するために、安全保障協力を強化する。アフガニスタン情勢は、依然として中央アジアの安全保障と安定にとって重要な要素であり、6か国は、防衛、法執行、テロ対策に関して引き続き協力する。情報共有の拡大、国境警備と安全な移民受け入れ、シリア北東部からの国民帰還支援、テロ対策と過激化防止に関するベストプラクティスの共有など、協力を深化させる。こうした長期的な取り組みには、より大きな能力が必要であり、中央アジア5か国は米国のコミットメントを歓迎する。中央アジア諸国と国際社会は、アフガニスタンが、テロのない、女性を含むすべての人の人権と基本的自由を尊重し、国内と近隣諸国に平和をもたらし、すべての民族、宗教、政治的集団を代表する包摂的な政府を樹立するよう引き続き支援する。

③ C5+1経済・エネルギー回廊
6か国はこの地域の協力と連携を加速させ、正常な貿易関係の恒久化に向けた取り組みを含め、中央アジアにおいて貿易と投資を行う米国企業にとって、より有利なビジネス環境を創出するための努力を継続する。米国と中央アジアの企業間の新たなつながりを促進し、英語と職業能力開発の訓練を受ける若手職業人の地域ネットワークを構築する。輸送ルートの多様化のため、カスピ海横断貿易ルートへの継続的な投資と開発、中央アジアと南アジアを結ぶ輸送ネットワークの拡張を行う。また、C5+1の包括的な経済成長を可能にする投資とビジネス環境を支援するため、国際金融機関とのパートナーシップを活用する。

④ エネルギー安全保障の強化と気候変動影響への対応
エネルギーの輸出ルートを多様化・拡大し、世界市場に安定的に供給するための地域エネルギーシステムの統合に引き続きコミットする。また、クリーンエネルギーの生産、メタンガス削減プロジェクト、持続可能な水力発電の開発、エネルギー効率の向上のため、官民の資金を動員して取り組みを強化する。中央アジアの莫大な鉱物資源をさらに開発し、重要鉱物の安全保障を推進するため、「C5+1重要鉱物対話(C5+1 Critical Minerals Dialogue)」を立ち上げる。さらに、中央アジアの水の安全保障と環境品質の向上に投資し、食料安全保障、衛生、農業、エネルギー部門の連携を考慮した、水と生態系の問題に関する地域協力の強化に取り組む。

⑤ 人を介したパートナーシップ
C5+1の全ての活動に人間的側面を取り入れ、法の支配と民主的ガバナンスを促進するために協力する。教育体制の構築、職業訓練、青少年育成、交流機会提供への支援を通じて、引き続き米国と中央アジアの間のつながりを支援・強化する。

⑥ パートナーシップの新たな環境
我々は、C5+1のパートナーシップにおける新たな環境を認識し、この枠組みの価値を再確認し、定期的な対話と共同行動を通じて協力、地域の安全保障、持続可能な開発を強化することにコミットする。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]