[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)東京事務所
元記事公開日:
2023/10/03
抄訳記事公開日:
2023/11/01

CNRSと東大、数理科学の共同ラボ設立

French Japanese Laboratory in Mathematics and its Interactions

本文:

 国立科学研究センター(CNRS)と東京大学は10月3日、数理科学の国際共同研究室「FJLMI」を設立することで合意した。数理科学やその応用を、両機関共通の戦略的な研究対象と位置づけたことになる。

 CNRSからは数理科学部門(CNRS Mathematics)が、東大からは大学院数理科学研究科がそれぞれ「FJLMI」に参加。研究テーマは「数論幾何学および代数幾何学」「リー代数理論・幾何学群理論・表現理論」「偏微分方程式・応用逆問題の解析と制御」「生物学および生命科学との相互作用」という。

 CNRSは、これらの研究活動を通して、▽フランスからの長期訪問研究者を対象に日本のパートナーとの共同プロジェクト運営に適したリソースを提供する、▽東大と共同の特別研究の期間を設けて最新の研究成果を広める、▽博士課程の共同プログラムを創設する、▽ポスドク研究者に好適な就職の機会を提供する――ことなども目指すとしている。

          ◇

 CNRSと東大が共同で研究室を設置したのは、「LIMMS」(エンジニアリングおよびシステム科学、1995年)、「JFLI」(コンピューター科学、2012年)、「ILANCE」(核および素粒子物理学、2021年)、「DYNACOM」(物理学、2022年)に続き、今回で5例目となり、CNRSが日本で設けた11か所の共同研究室のおよそ半分を占めている。

 CNRSと東大は昨年10月、今後戦略的に共同研究を行う分野・領域を検討するために「国際研究センター」(IRC)を設置。CNRSによると、このIRCのテーマの一つとして数学が挙がり、今回の「FJLMI」設置につながったという。

 3日に東大本郷キャンパスで行われた合意書の署名式で、CNRSのアントワーヌ・プティ理事長は「わずか1年でこうした成果を出せたことはたいへん画期的だ」などと述べた。

【写真】合意書に署名したプティ理事長(左)と斎藤毅・東大大学院数理科学研究科長(10月3日、都内にて)(CNRS東京事務所提供)

[DW編集局]