（2023年10月20日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり）

このほど採択された「戦略的エネルギー技術計画（SET Plan）」改訂案は、当初の戦略目標を「欧州グリーンディール」、「REPowerEU計画」、「グリーンディール産業計画（特に『ネットゼロ産業法』）」と整合させるものである。これにより、欧州の脱炭素化目標の達成、戦略的なネットゼロ技術の支援、持続可能で強靱なエネルギーの未来と産業競争力の構築に向けた協調的なアプローチが確保される。

改訂SET Planは、「エネルギー連合（Energy Union）」の第5の柱、「研究・イノベーション・競争力」を実現するために引き続き不可欠であるが、「欧州研究圏（ERA）」の枠組みにも組み込まれることになる。

この改訂により、欧州委員会は次の分野の取り組みを開始する。

・デザインによる持続可能性、スキル開発、社会のニーズに合わせた研究・イノベーション、デジタル化、市場アクセスなど、分野横断的な課題に関する新たな優先事項を盛り込む。
・技術範囲を拡大し、すべての戦略的再生可能エネルギー技術を網羅する。
・「グリーン水素に関するERA試験（ERA pilot on Green Hydrogen）」を実施するため、水素に特化した効率化行程を設置する。
・「欧州技術・イノベーション・プラットフォーム」と、「欧州バッテリー同盟」、「欧州クリーン水素同盟」、「欧州太陽光発電産業同盟（Solar PV Industry Alliance）」など、欧州の各産業同盟との間の協力関係を強化する。
・SET Plan情報システム（SETIS）を通じて継続的に進捗の確認が可能な、進捗ロードマップを提供する。

Horizon Europeと各国政府が共同出資する、国および地域の研究・開発・イノベーションプログラムの多国間戦略的パートナーシップである「クリーンエネルギー移行パートナーシップ（Clean Energy Transition Partnership）」は、引き続きSET Plan活動を支援し、その拡大した範囲を支える上で重要な役割を果たす。

[DW編集局]