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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2023/10/24
- 抄訳記事公開日:
- 2023/11/22
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欧州委員会、医薬品不足への対策と安定供給確保策を強化
- 本文:
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(2023年10月24日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会はこのほど、今冬、来冬、それ以降のEUにおける危機的な医薬品不足を防止・緩和するための一連の施策を採択した。特に、EU域内での供給の確保が必要な最重要な医薬品に重点を置いている。
■ 今冬以降の深刻な品不足を緩和
この冬に備えて、すでに多くの対策が講じられている。たとえば、欧州保健緊急事態準備・対応機構(HERA)と欧州医薬品庁(EMA)は、冬に向けて重大な不足が生じるリスクが予想される主要な抗生物質(小児用製剤を含む)を特定した。これらの抗生物質が確実に入手できるよう、対策が講じられている。しかし、さらなる対策が必要であり、次のような取り組みを強化する。
・医薬品に関する欧州自主連帯機構(European Voluntary Solidarity Mechanism for medicines)の創設(2023年10月):これにより、各加盟国が必要とする医薬品を他の加盟国に通知し、在庫している医薬品を提供することができる。
・重要医薬品の連合リスト(2023年末までに制定):リストの制定は、2024年4月までに特定の医薬品のサプライチェーンを分析するための第一歩である。この分析により、必要な追加措置が示される。
・規制の柔軟性:加盟国は、医薬品の使用期限の延長や代替品の迅速な承認など、医薬品を迅速に患者に届けられるよう、規制の適用除外を行うことができる。
・欧州委員会は、2024年初めまでに、安定供給を強化するための医薬品調達に関するEU指針を発表する。
・来冬に向けて、抗生物質と呼吸器系ウイルス感染症治療薬をEUで共同調達する。■ 長期的な安定供給を支援える構造的措置
欧州委員会は、供給を多様化し、重要医薬品の生産を促進・最新化するため、すべての関係者と協力して、2024年初めの運用開始を目指し、重要医薬品同盟(Critical Medicines Alliance)を設立する予定である。この同盟は、欧州保健連合に新たな産業政策の柱を加えることになる。これにより、各国当局、産業界、市民社会の代表者、欧州委員会、EU機関が、EUレベルで医薬品不足対策を調整し、サプライチェーンの脆弱性に対処することが可能となる。同盟の活動は、不足するリスクが高く、医療システムへの影響が重大な医薬品を対象とする。
■ 国際的な供給パートナーシップ
欧州委員会は、サプライチェーンのレジリエンスのため、国際的なパートナーのネットワークを構築する。また、各地域およびEUや世界レベルの需要の両方を反映して、重要な医薬品の生産に関する第三国との戦略的パートナーシップも構築する。
[DW編集局]