（2023年10月27日付、高等教育・研究省（MESR）の標記発表の概要は以下のとおり）

2023年上海分野別ランキングが発表され、51分野で84のフランスの高等教育機関がランクインした（2022年比4件増）。

39の機関がトップ100にランクイン、なかでもパリ・サクレー大学が24、パリ・シテ大学が16、ソルボンヌ大学が14、グルノーブル・アルプ大学が13、パリ科学・人文学大学が12の分野で、それぞれ世界のベスト100にランクインしている。またトップ50には、パリ・サクレー大学14、パリ・シテ大学12、ソルボンヌ大学9、グルノーブル・アルプ大学とトゥールーズ第3大学ポール・サバティエがそれぞれ5の分野で、ランクインした。

特に、パリ・サクレー大学の数学（世界第2位）と物理学（同3位）、モンペリエ大学とパリ科学・人文学大学の生態学（それぞれ2位と4位）、パリ・シテ大学の薬学（3位）、ソルボンヌ大学とブルターニュ・オクシデンタル大学（UBO）の海洋学（それぞれ4位と5位）など、自然科学の分野におけるこれらの成果は、環境と気候の問題に対するフランスの大学と教職兼務の研究者の継続的な取り組みを証明するものである。

数学は、フランスが最も傑出している分野であり、35の大学がこの分野でランクインしており、そのうち3つはトップ10以内で、ランキングされた大学の総数の7%を占めている。またフランスの大学は、海洋学と金属工学でも7%、生態学で6%、医療技術で5.8％を占めている。

この2023年のランキングには、アンティーユ大学、リモージュ大学、アルトワ大学、ベルフォール・モンベリアール工科大学など8つの大学が初めて入り、ルーアン大学、CYセルジー・パリ大学、ジャン・モネ・オーデンシア大学が復活していることにも注目すべきである。本土の他、海外領土の2大学がランクインしており、フランスの卓越した科学ネットワークが全土に広がっていることを示している。

ルタイヨMESR大臣は、大学再編を促す法人格の一つ、「実験大学（EPE）」に新たに採択されたモンペリエ、リール、ナント各大学がランクインされたことを歓迎した。現在までに創設された16のEPEのうち、14が上海分野別ランキングにランクインしている。

政府の５か年投融資計画「フランス2030」は、17の優れたイニシアチブに科学的な「お墨付き」を付与して特に支援しており、それがこのランキングにも反映されている。今年は16のイニシアチブが取り上げられ、そのうち13件（「IdEx」（イデックス）8件、「ISITE」（イーシット）5件）が分野別トップ100の少なくとも一つにランクインしている。フランスは、約20の戦略的分野において誰もが認めるリーダーとなるため、研究開発、学生と労働者の訓練、経済における変革を引き続き強化していくこととしている。

＜解説＞「上海ランキング」とは
中国上海交通大学が2017年から実施している高等教育機関のランキング。5つの領域（工学、自然科学、生命科学、医学、社会科学）における55の科学分野（2023年の新分野は繊維科学・工学）に分け、研究活動を評価することを目的としている。

[DW編集局]