[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2023/12/14
抄訳記事公開日:
2024/01/26

EU企業、2022年に研究開発投資の伸びを倍増

EU companies doubled R&D investment growth in 2022

本文:

(2023年12月14日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

2023年度EU産業研究開発(R&D)投資スコアボード((EU Industrial R&D Investment Scoreboard))によると、欧州の産業界は2022年に研究開発への投資を大幅に増加させた。

EUの2022年の民間研究開発投資の伸び率は2015年以来最高に達し、2021年比で2倍以上、13.6%増となった。これに対し、中国は25%強から16%強に低下し、米国企業は16%から12.6%に伸びが減速した。

■ 自動車部門でトップ、ICTとバイオ技術で存在感を増すEU

情報通信技術(ICT)メーカー、ICTサービス、医療、自動車が、スコアボード企業の研究開発投資の4分の3以上を占めている。デジタル化の重要性の高まりを反映して、企業の3分の1以上、世界の研究開発投資の43%がICTの製造業・サービス部門によるものとなっている。ICTの製造部門が最大の投資部門である一方、ICTサービス部門は過去10年間で最も急速に成長している。

医療部門は、世界の研究開発投資の5分の1以上を占め、世界の研究開発投資上位企業の中で最も多くの企業を擁している。近年は、主に米国由来の新興バイオテクノロジー企業による新規投資によって大幅に増加している。EUの製薬企業による投資は、米国企業と同様のペースで増加しているが、投資額は依然として米国企業の約半分にとどまっている。

自動車部門の研究開発投資では、EUは引き続き42.2%で世界をリードしている。日本と米国がそれぞれ19.5%、中国が12.8%と続き、中国は過去10年間で、このランキングに入る自動車企業の数を倍増させている。技術面では、EUはグリーン高価値特許(68%)とクリーン輸送技術(29%)でリードしており、僅差で日本と米国(それぞれ27%)が続いている。

■ EUの部門多様性

EUは、世界のトップ研究開発投資企業2,500社のうち367社を占め、ポーランド、スロベニア、ハンガリー、マルタを含む17か国に本社を置いている。これら企業の半数はドイツ、フランス、オランダにあり、EUの民間研究開発投資の73%を占めている。

EUの部門別分布は、幅広く、米国よりも多様性が高いことを示している。研究開発投資の32%を自動車部門が占め、次いで医療(19.7%)、ICT製造業(14.4%)、ICTサービス業(8%)となっている。研究開発投資企業は、航空宇宙、防衛、金融、エネルギー、化学、建設などの部門でも目立っている。EU研究開発投資企業上位1,000社ののうち、18%が中小企業(SME)であり、そのうち約3分の2が医療部門である。

[DW編集局]