[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2023/12/15
抄訳記事公開日:
2024/02/13

複数省庁に「デジタルツイン」研究の支援を促す新たな報告書

New Report Urges Multiagency Action to Support Potentially Transformative Digital Twins Research

本文:

(2023年12月15日付、全米科学・工学・医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:NASEM)の標記発表の概要は以下のとおり)

この度発表されたNASEMの報告書は、国防総省(DOD)、エネルギー省(DOE)、国立衛生研究所(NIH)、米国科学財団(NSF)などの連邦政府機関が、「デジタルツイン」技術の基礎となる数学的・統計学的・計算科学的基盤を発展させるために、新たな分野横断プログラムを策定する必要があると述べている。

デジタルツインは、科学的発見を加速し、気候科学の改善を進め、医療・製造・その他の分野に革命を起こす大きな可能性を秘めるが、関連分野の研究を調和させ、現実的な応用に取り組みを集中させるための統合されたアジェンダが必要である。

デジタルツインは、モデリングとシミュレーションを駆使して、物理空間の対象(physical counterpart)の構造・状態・動作を模倣した仮想的な表現を創出するが、報告書では、「デジタルツイン」の定義を明確にしており、仮想と実物との間の双方向の相互作用を備え、物理的相手からのデータ取り込みと、自身を更新し得るフィードバック・ループを有することを必須としている。

報告書は、デジタルツインの研究が、科学や産業の成長とイノベーションに新たな道程を切り開く可能性があるとしている。その一方で、デジタルツインがデータ侵害に脆弱であることや物理空間の対象に甚大なセキュリティリスクをもたらし得ることも指摘している。さらに、デジタルツインエコシステムの進展において連邦政府の省庁やその他の組織が果たすべき役割についても述べており、産業界との協調が求められる研究領域の特定や、データとモデルの持続性に関するニーズの評価、学際的なスキルを備えた人材育成支援などを行うよう提言している。

[DW編集局]