（2024年2月7日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり）

欧州議会と理事会は、2021年-2027年のMFF（複数年次財政枠組）の改定と欧州戦略的技術プラットフォーム（STEP）の立ち上げに関する暫定的な合意に達した。修正予算が採択されれば、欧州市民やそれ以外の人々の利益のために、EUは引き続き共通の優先課題を遂行し、欧州が直面している課題に取り組むことができるようになる。

STEPは、欧州の競争力と主権の強化に向け、EU内の主要産業と重要技術を支援するために設立されるもので、EU全体で最大500億ユーロの投資が見込まれている。STEPは、「結束政策（Cohesion Policy）基金」や「復興・強靱化ファシリティ（RRF）」など、既存のEU資金プログラムからのリソースをプールし、それらの間の相乗効果を促進する。

■　STEPの立ち上げ

欧州委員会は、EUの産業競争力強化に向け、STEPの運用を開始する。

・この取り組みは、ディープテック・デジタル技術、バイオ技術、クリーン技術という3つの戦略分野における重要技術の開発・製造への投資に焦点を当てている。
・STEP は、InvestEU、イノベーション基金（Innovation Fund）、Horizon Europe、EU4Health、Digital Europe、欧州防衛基金（EDF）など、既存のEU投資プログラムのリソースをプールし、それらの間の相乗効果を促進する。
・EDFは、15億ユーロの補強を受ける。
・加盟国は、結束政策やRRFの資金プログラムを、STEPへの投資に振り向けることで、STEPのEU全体での成功に大きな役割を果たす。
・欧州委員会は、新たにオンラインで技術主権ポータル(Sovereignty Portal)を開設し、今後数か月以内に運用を開始する。このポータルは、EUの資金提供に関する情報を集約し、3つの戦略分野のプロジェクト推進者が、開発・製造におけるニーズを満たすEUの資金提供機会を特定できるよう支援する。
・「技術主権シール（Sovereignty Seal）」を授与されたプロジェクトは、資金助成へのアクセスが容易になり、このポータルで紹介される。

[DW編集局]