[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2024/02/10
抄訳記事公開日:
2024/03/28

将来を見据えた新たな経済ガバナンスの枠組みに関する政治的合意

Commission welcomes political agreement on a new economic governance framework fit for the future

本文:

(2024年2月10日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

この枠組みの主な目的は、加盟国の債務持続可能性を強化し、成長を促進する改革と優先投資を通じて、すべての加盟国の持続可能かつ包括的な成長を促進することである。この枠組みは、グリーンでデジタル、包摂的で強靱な経済への移行を支援することで、EUの競争力と将来の課題に対する備えの強化に役立つ。

この改革は、現在の枠組みの欠点に対処するもので、よりシンプル、透明、効果的な枠組みとし、各国のオーナーシップを高め、政策実施を強化することを目的としている。また、COVID-19の流行による影響も含め、増大した公的債務を、現実的かつ段階的で持続可能な方法で削減する必要性を考慮している。この枠組みはまた、投資不足によって迅速な経済回復が妨げられた金融危機に対するEUの政策対応から得られた教訓を踏まえている。

■中期計画による国のオーナーシップの強化

新たな中期財政構造計画がこの枠組みの中心となる。加盟国は、財政目標、優先すべき改革と投資、財政「調整期間」中に起こり得るマクロ経済の不均衡に対処する措置を定めた計画を策定し、提示することになる。「調整期間」とは、財政調整、改革、投資の組み合わせを通じて、加盟国の債務水準が持続可能な低下軌道に乗るまでの期間を指す。

■さまざまな財政課題を考慮したよりシンプルな規則

新しい枠組みでは、各国の財政状況に基づいて加盟国を区別するリスクベースの監視が導入される。

■改革と投資の推進

新たな課題であれ既存の課題であれ、その対処には改革と投資が必要である。これらは、信頼できる債務削減計画に不可欠な要素でもある。この枠組みは、加盟国がグリーン・デジタル移行を確実に行い、経済的・社会的レジリエンスを強化し、欧州の安全保障能力を高めるために必要な措置の実施を促進・奨励することになる。

■政策実施の強化

この枠組みは、加盟国に計画の策定にはより大きな裁量を与える一方で、加盟国が約束を確実に履行するための実施体制の強化も定めている。

[DW編集局]