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- 国・地域名:
- 韓国
- 元記事の言語:
- 韓国語
- 公開機関:
- 科学技術情報通信部
- 元記事公開日:
- 2024/02/26
- 抄訳記事公開日:
- 2024/04/18
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デジタルイノベーションによる「2024年10大バイオ未来有望技術」発表
- 本文:
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(2024年2月26日付、科学技術情報通信部の標記発表の概要は以下のとおり)
科学技術情報通信部と韓国生命工学研究院(KRIBB)は、2月26日(月)、バイオ分野の未来ビジョンを提示する「2024年10大バイオ未来有望技術」を発表した。
両者は2015年からバイオ未来有望技術の発掘を推進してきている。今年も今後5~10年以内に技術的または産業的に実現が期待される10個のバイオ未来有望技術を選定し、その結果を2月26日バイオ情報ポータルサイト「バイオイン(www.bioin.or.kr)」に公開した。選定分野はプラットフォーム(基礎・基盤)、レッドバイオ(保健医療)、グリーンバイオ(バイオ農業)、ホワイトバイオ(バイオ化学/環境)であり、今年選定された10大技術には、次世代ロングリードシーケンス(プラットフォームバイオ)、マイクロバイオーム標的抗がんワクチン(レッドバイオ)、気候変化対応デジタル育腫(グリーンバイオ)、バーコード微生物(ホワイトバイオ)などがある。
次世代ロングリードシーケンスは、数十万個以上のDNA/RNA分子内の塩基配列情報をより長く、より正確に解読する技術である。染色体単位の塩基配列分析は従来のシーケンス方法では限界があったが、今後疾患の原因となる遺伝子変異の探索と高品質遺伝子地図の作成が可能になると期待されている。特にすべての新生児のゲノムをシーケンスするプロジェクトが英国と米国ニューヨーク市で本格的に推進される予定であるので、個人ゲノムシーケンスの需要が急増すると予測され、注目されている。
マイクロバイオーム標的抗がんワクチンが選定された背景には、近年マイクロバイオームが代謝、免疫、脳神経疾患だけでなく、がんの成長を促す役割を果たすという事実が究明されてきたということがある。このために、マイクロバイオームを標的にした抗がんワクチンがレッドバイオ分野の有望技術に台頭してきた。この技術の開発により、抗がんワクチンの標的となる新生抗原(neoantigen)が少なく、治療剤開発が難しい一部の難治性がんの新しい治療方法が提供されるものと期待されている。
グリーンバイオ分野の気候変化対応デジタル育種は、遺伝体分析とAI技術を活用して地球温暖化や干ばつといった気候変動に強い品種を開発する技術である。この技術の開発は、持続可能な農業の実現に寄与するものと思われる。バーコード微生物は、合成生物学を応用して無害な微生物に特定DNA配列(DNAバーコード)を挿入することによって、経済的かつ速やかに発生情報や移動経路を追跡できるようにする技術である。この技術は製品流通、感染症追跡、法医学などに活用可能である。
[DW編集局]