（2024年3月18日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり）

バイデン大統領夫妻は、米国女性の健康研究へのアプローチと資金提供方法を変革することを目的として、2023年11月に「女性の健康研究に関するホワイトハウス・イニシアチブ（White House Initiative on Women’s Health Research）」を立ち上げた。本日、バイデン大統領は、女性の健康に関する研究を拡大・改善するために、これまでで最も包括的な一連の行動を指示する新たな大統領令に署名する。同大統領令の主要事項は次のとおり。
▽女性の健康に関する研究を連邦政府の研究ポートフォリオ全体に統合する
▽女性の健康に関する研究への投資を優先化する
▽中年期の女性の健康に関する新しい研究を活性化する
▽女性の健康に関する研究をサポートするため潜在ニーズを評価する

上記イニシアチブに呼応して、連邦政府機関は次のような施策を推進している。

▽女性の健康研究の優先化と投資の増加
国立衛生研究所（NIH）による女性の健康研究の強化（2025年から当初2億ドル）、国防総省（DOD）の医学研究プログラム（CDMRP）（プログラム全体で2023年度に約5億ドル）、国立科学財団（NSF）による女性の健康研究に関する提案募集、NIHによる女性の健康研究公募に関する専用のワンストップ窓口設置など。

▽女性の健康に関するイノベーションと発見の促進
医療高等研究計画局（ARPA-H）の「Sprint for Women’s Health」（2024年2月開始、1億ドル）、女性の健康研究に関する課題特定に向けた専門家グループによるロードマップ作成や研究会議へのNSFの支援など。

▽女性の健康に関するデータ収集と分析の拡大と活用
NIHによる女性の健康に関するデータセットの共有等の促進、メディケア・メディケイド・サービスセンター（CMS）による女性の健康ニーズを反映した審査プロセス強化、疾病対策センター（CDC）と保健資源サービス局（HRSA）による女性の健康に関する情報の収集、分析、報告を改善するためのデータセット活用など。

▽女性の健康研究を支援するための調整、インフラ、トレーニングの強化
DODと退役軍人省（VA）による女性の健康に関する共同研究の立ち上げ、DODによる「女性軍人健康研究パートナーシップ」に（1,000万ドル）、環境保護庁（EPA）による女性の健康に関する研究とデータ普及の支援、CDCによる女性の健康研究のフェローシップ研修の拡大など。

▽生涯にわたる女性の健康の改善
NIHによる更年期障害に関する包括的な研究アジェンダの特定、医療研究品質庁（AHRQ）による女性のためのプライマリケアと予防サービスの改善、インディアン保健局（HIS）による先住民女性の健康促進、薬物乱用・精神保健サービス局（SAMHSA）による女性の精神的および行動的健康の改善、農務省（USDA）による母体の健康アウトカムに関する研究の支援など。

[DW編集局]