[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
マックスプランク協会(MPG)
元記事公開日:
2024/04/08
抄訳記事公開日:
2024/05/23

EUは自ら武装しなければならない

„Die EU muss sich rüsten“

本文:

(2024年4月8日付、マックスプランク協会(MPG)の標記発表の概要は以下のとおり)

MPGは、EUが自らの防衛政策を持つ必要性について、マックスプランク国際比較公法・国際法研究所で独立研究グループEnsureを率いる安全保障専門家キャロリン・モーザー(Carolyn Moser)氏に対するインタビューを行い、公表した。

EUは防衛同盟ではなく、指揮命令系統も初歩的段階にある。しかし大西洋を越えた安全保障が失われるような場合は自ら武装することが必要となる。2022年3月に公表したEU戦略コンパスで指摘したように、国際秩序からの脱退によるパワーポリティックスの顕在化、サイバー攻撃によるハイブリッド戦争など危険の種類は拡大している。

安全保障と防衛の根本的な責任は加盟国にあるが、もはや一国では対処しきれず、共同して対処することが不可欠になってくる。EUも制裁による法的・政治的措置を講じたり、最近では軍需産業の支援も開始したり、共同調達も視野に入れている。EUは新たに国防担当委員を任命することも考えている。ただし共同行動を行うには加盟国(EU理事会)の全会一致の同意が必要となる。

現在、EU軍はないが大西洋を越えた安全保障の枠組みが機能しなくなれば、EUとしての常設司令部の設置などいろいろな案を検討することになろう。

EU加盟国で核兵器を所有しているのはフランスだけであり、核兵器による攻撃・防御力に関わる協力についても議論されている。しかしフランスの核兵器の他EU諸国への配備は考えられない。

[DW編集局]