[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2014/09/29
抄訳記事公開日:
2014/12/05

京津冀大気汚染防除効果評価報告が発表

京津冀大气污染防治效果评估报告发布

本文:

2014年09月29日付の「中国科学報」ネット版は、京津冀(北京市・天津市・河北省)大気汚染防除効果評価報告が発表されたと報じた。本記事ではその概要をまとめる。

9月25日、清華大学と中国清潔空気聯盟は、「『大気国十条(*)』に基づく京津冀(北京市・天津市・河北省)地域の微小粒子状物質防除政策の効果評価」報告を共同発表した。同報告によると、2017年に既存の排出削減対策を全面的に実施すれば、北京市、天津市、河北省の年平均PM2.5濃度をそれぞれ26%、19%、15%低減させ、大気の質を大幅に改善できるとのこと。

同報告は、北京、天津、河北地域の大気汚染状況に対して量的評価を行った。研究チームは基準年(2013年)の排出源リストと地域の大気質数値モデルに基づき、大気質に関するシミュレーションと検証を行った。また、「大気汚染防除行動計画(2013-2017)」(以下、「行動計画」)の排出削減効果に対して量的分析を行い、目標年次の大気質シミュレーションにより、「行動計画」の大気質改善効果を予測した。

同プラグラムの責任者である清華大学環境学院の賀克斌院長は、「二酸化硫黄とPM2.5の排出削減対策は、北京、天津、河北地域のPM2.5削減に大いに役立ち、具体的には、エネルギー構造の調整、発電所と石炭焚きボイラにおける脱硫・脱硝技術の応用、製鉄所・製鋼所、セメント工場、工業用ボイラーの除塵能力の増強がもたらす排出削減効果は最も目立つ」と語った。

更に京津冀(北京市・天津市・河北省)地域の大気汚染改善作業を支援するため、同報告は汚染コントロールに関するアドバイスを10項目提出した。着実に既存汚染対策及び10項目のアドバイスを実現すれば、2017年において不利な気象状況に遭っても、PM2.5の年平均濃度をそれぞれ31%、26%、26%低減させ、「大気国十条」が定めた大気質改善目標を超過達成することが期待できる。

*1 「大気汚染防止行動計画」のことを指す。

[JST北京事務所]