[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
科学・イノベーション・技術省(DSIT) 
元記事公開日:
2024/05/07
抄訳記事公開日:
2024/06/11

英国のAI企業、自動運転車用AI開発に10億ドル強を投資

Vote of confidence in UK economy as British AI company Wayve secures over $1 billion to develop AI for self-driving vehicles

本文:

(2024年5月7日付、科学・イノベーション・技術省(DSIT)の標記発表の概要は以下のとおり)

英国のAI企業Wayve社はこのほど、次世代AIを搭載した自動運転車の開発に10億5,000万ドルの投資を行うと発表した。これは英国のAI企業における史上最大の投資となる。

ソフトバンク・グループ、NVIDIA社、マイクロソフト社の支援を受け、Wayve社はこの投資を利用して、英国初の自動運転車用の「具現化AI」技術を開発、発売する。

具現化AIにより、自動運転車両は、ドライバーや歩行者による予期せぬ行動など、厳密なパターンやルールに従わない状況で運転・学習するなど、現実世界の環境から学習し、対話できるようになる。これは既存のAV技術の能力を超えるものである。

自動運転車とAIの両セクターが発展するにつれて大きな経済成長の可能性をもたらしており、今回の投資はこれらの新興産業における世界のリーダーとしての英国の地位を確固としたものにする。2018年から2022年にかけて、英国の自動運転車セクターだけでも4億7,500万ポンドの直接投資を生み出し、1,500人の新規雇用を創出した。

英国の自動運転車産業の成長により、2035年までに420億ポンドに達し、さらに3万8,000人に対しよりスキルを有する雇用が創出されると予想されている。また、AIセクターは英国ですでに5万人以上を雇用しており、毎年37億ポンド強を英国経済にもたらしている。2035年までに、英国のAI市場は1兆ドルを超える規模に成長すると予測されている。

2017年に英国で設立されたWayve社は英国発祥のサクセスストーリーであり、AIおよび自動運転車業界の新興企業が成長し繁栄するための経済的および規制的環境を創出する上で、英国が世界的なリーダーシップを発揮していることの証である。

「自動運転車技術の進歩は、自動運転車技術の安全な走行を支援・促進するための明確な枠組みを定めた英国の実施規範「自動運転車トライアル」によってサポートされてきた」とWayve社は述べている。この実施規範は、英国における自動運転の開発とテストに対するイノベーション推進と柔軟なアプローチにおいて世界をリードしている。

Wayve社の投資は、英国の自動運転車法案が今後数週間以内に議会での通過を完了する予定であることを受けて行われた。この法案はWayve社のような革新的な英国企業が自動運転技術をスケールアップして導入し、安全性を高め、最大420億ポンドに相当する市場を切り開くための基盤を築くことになる。

[DW編集局]