[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
首相府投資総務庁(SGPI)
元記事公開日:
2024/06/07
抄訳記事公開日:
2024/07/05

フランス2030:CEAとCNRS、斬新な光探索方式による野心的な研究プログラムを開始

France 2030 : le CEA et le CNRS lancent un ambitieux programme de recherche pour explorer la lumière de manière inédite

本文:

(2024年6月7日付、首相府投資総務庁(SGPI)の標記発表の概要は以下のとおり)

原子力・代替エネルギー庁(CEA)と国立科学研究センター(CNRS)は、光の利用分野を拡大し、この戦略的分野でフランスの国際的な影響力を高めるための、国家研究プログラムをボルドーで立ち上げた。財源は5か年投融資計画「フランス2030」で、7年間で4,038万ユーロの資金を投入。光の特性を理解・活用し、多くの新システムを探索・制御して新しいグリーン技術を開発することを目指す。

光は、自然環境や技術開発(ソーラーパネル、照明システムなど)に常に関わっており、国の優先研究プログラム(PEPR)の一つ、「LUMA」として重要な研究対象にもなっている。「LUMA」は物理学、化学、工学、生命科学、健康、遺産・環境科学の接点にある多くのシステムの探索、制御に役立つ特性を研究、理解、開発することを目指している。

今回の新たなプログラムは、国内研究の構造強化を進め、社会に大きな影響を与える優先課題に対して新しいアイデアを国家レベルで産み出すことを目的とする。その成果は、オプトエレクトロニクス技術(情報処理と保存)、持続可能な材料(グリーンケミストリー、リサイクル、エコデザイン)、エネルギー利用(太陽エネルギー変換、光触媒デバイス)、光医療(非侵襲的方法、光線力学療法、がん治療)への活用が期待されている。

2016年以降5つのノーベル賞を受賞するなど、フランスは、光と物質の相互作用の発展における欧州および世界のリーダーの地位を確立し、フランスは、CEAとCNRSを通じて国際レベルで学術的および産業的地位を強化してきている。高等教育機関と連携して配分された資金は、科学界の体制構築および世界最高クラスの研究インフラの強化に向けられる。

■3つの主要な学際的科学的課題
「LUMA」を通じてCEAとCNRSは、光と物質の相互作用に関連する実験的および理論的側面全体を網羅する学際的なプロジェクトを軸として科学者グループを連携させることを目指しており、▽高度に情報化した光科学、▽グリーン技術のための光子(フォトン)、▽保護に有用な光――という3つの主要な科学的課題に焦点を当てている。

■重点活動による構成
このプログラムは関心表明公募によって選択され、▽キラリティー(対掌性)、▽光化学と材料、▽エネルギーと環境、▽健康の4つの研究テーマに分類。超高速光科学とレーザーによる物質のナノ構造化に特化した「超高速」と、特性評価・分析機器等のための機器をまとめた「オペランド/プロトタイピング」の2つのインフラからなるネットワークによる、分散型プラットフォームの全国クラスターの構築を目的としている。また、公募による共同研究課題の選択という3つの重要な活動を中心に構成されている。

これらの活動の目的は、国内の科学界の取り組みを構造化し、科学的および社会経済的に大きな影響を有する課題への取り組みを促進するとともに、国内の研究インフラのネットワークを構築し、この戦略的分野におけるフランスの影響力を高めることである。

[DW編集局]