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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 医薬品企業連合(LEEM)
- 元記事公開日:
- 2024/06/18
- 抄訳記事公開日:
- 2024/07/08
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医療主権への貢献「十分でない」 企業連合が指標公表
Résultats du Baromètre 2024 de l’attractivité de la France pour les entreprises du médicament
- 本文:
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フランス医薬品企業連合(LEEM)は6月18日、「医薬品企業からみたフランスの魅力指標2024」を公表し、「フランスは欧州の医療主権の確保に十分に貢献していない」「低い薬価と高い税率の板挟みに製薬会社が苦しんでいる」「臨床試験の実践例が低迷している」などの分析結果を発表した。
LEEMはフランスで創業する医薬品関係の企業267社が加入する団体。公的機関のデータや独自研究によるデータを基本に、国内の製薬会社に独自に実施した調査結果などを加味し、製薬国としてのフランスの長所と短所について独自の分析結果を、定期的に発表している。
今回LEEMが示した主な分析結果は、次の通り。
- フランスは欧州全体の医療主権確保に十分に貢献していない。(例:フランスで生産される新薬は欧州全体の10%にも満たないこと。この点、ドイツ産の新薬は欧州全体の4分の1を占めていること)
- 低い薬価と高い税率の板挟みで、製薬会社に大きな不利益をもたらしていること。 (例:フランスは製薬業界に過大な税金(売上の60%、特定セクションへの課税の88%を含む)を課しながら、平均的な販売価格を製薬会社に求めていること。ドイツは、薬に課す税金がフランスの半分以下でありながら、貿易収支はフランスの60倍になっていること)
- フランスは、臨床試験の実践例が欧州主要国の中で3位に低迷し、患者の機会損失を招いていること。
- フランスでは新薬を迅速に使うことはできるものの、法的にはまだ重篤な疾患に限定されていること。(例:開発される新薬の37%はこうした免除手続きを経られず、欧州全体に比べても手続きにかかる時間が長すぎること。2021年以来、新薬を早期に使うことができる患者はまだ10万人にとどまり、1,300万人のフランス人が新薬を使えないことにより長期の疾患に苦しんでいること)
- 欧州域内では、国によって医薬品を必ずしも平等に入手できないこと。 (例:2019~22年に欧州で承認された新薬の37%は、2023年12月31日の時点でまだフランスでは入手できなかった。この点、ドイツのその率はわずか12%にとどまっている)
- フランスの規制枠組みは不安定で、この分野への投資の妨げになっていること。(例:過去8年間に、早期アクセス条件は7回、セーフガード条項は8回変更された)
LEEMは9月に、業界全体の改善をめざした提言を公表するとしている。
[DW編集局]