[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
フランス科学アカデミー
元記事公開日:
2024/07/03
抄訳記事公開日:
2024/07/04

極右RNは「信用性が全くない」 科学アカデミーが声明

Dimanche, la vigilance républicaine s’impose

本文:

 フランス科学アカデミーは3日、下院(国民議会、全577議席)の総選挙で第一党になる可能性が指摘されている極右政党「国民連合」(RN)の公約について「信用性が全くない」と批判した。7日に決選投票が迫るなか、アカデミーが国民に警鐘を鳴らした形だ。

 アカデミーは同日の声明で、「フランス社会は気候変動、国際情勢の混乱、不安要素の多い技術変革に直面しており、オープンな環境でなければ成長は実現できない」と指摘。「科学技術の研究、若年層の教育、合理的な国防、差別意識のない倫理観などが重要だ」と強調し、その観点からRNの公約の信用性を疑問視した。そのうえで「7日にはこうした点を考慮して投票すべきだ」と国民に呼びかけた。

 【解説】6月30日に行われた下院総選挙の1回目の投票では、全577議席中76議席が確定し、RN系はすでに39議席を獲得した。残る501議席をめぐる決選投票でもRN系は優勢とされ、最終的に単独で過半数の289議席に達するかどうかが焦点となっている。野党の左派連合や与党の中道連合などは、これを阻止しようと、1回目の投票で勝ち残った候補者のうち計200人以上を取り下げるなどして、各選挙区でRNへの対抗票が分散するのを防ごうとしている。RNは「国民戦線」(FN)を2018年に改称した政党で、22年の大統領選挙ではマリーヌ・ル・ペン党首(当時)が決選投票に進出してマクロン大統領の再選を脅かすなど、影響力を強めている。(フランス担当フェロー・内田遼)

[DW編集局]