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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2024/05/31
- 抄訳記事公開日:
- 2024/07/10
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単一効特許制度の初年度に2万7,000件を超える単一効特許を登録
- 本文:
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(2024年5月31日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)
単一効特許制度が順調に実施され、最初の1年間で欧州特許庁 (EPO) はすでに2万7,000件を超える単一効特許を登録した。平均すると、取得済みの欧州特許のほぼ4分の1(23%)がすべての参加加盟国に適用される。またこの割合は着実に増加している。デンマークとポーランドで特許を取得した申請者の間では採用率がほぼ50%に達し、スペインでは約40%に達した。特許のほとんどは、医療技術(31%)、土木工学(6%)、輸送(5%)の分野で付与された。
これまでに約350件の訴訟が統一特許裁判所(UPC)に提起されている。この新設の裁判所は、UPCが独占的管轄権を持つ単一効特許だけでなく、一定の条件の下で非単一効欧州特許についても集中的な訴訟を可能にする。
2023年6月に開始された単一効特許は、欧州の特許単一市場の完成に重要な役割を果たし、EUのイノベーションと競争力に大きな変化をもたらすものとなっている。この制度により、企業はイノベーションの保護が容易にできるようになり、欧州で特許を取得および執行するためのワンストップショップとして提供される。企業はコストを節減できるだけでなく、事務作業や管理上の負担も軽減される。UPCの設立により、特許訴訟の負担と費用が軽減され、法的確実性も高まる。
現在、 EU加盟17か国(EUのGDPの約4分の3を占める)が単一効特許制度に参加し、まもなくルーマニアが18番目の参加国となる。この制度は他の加盟国にも開放されている。
欧州委員会はまた、単一補足保護証明書(SPC)を新設することで、この制度をさらに強化することを目指す。この証明書により、特定の認可医薬品および植物保護製品に対する単一効特許権を単一方式で拡張することが可能となる。
[DW編集局]