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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府科学技術政策局(OSTP)
- 元記事公開日:
- 2014/10/17
- 抄訳記事公開日:
- 2014/12/15
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機能獲得型ライフサイエンス研究の利害適正評価の実施
Doing Diligence to Assess the Risks and Benefits of Life Sciences Gain-of-Function Research
- 本文:
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2014年10月17日の大統領行政府科学技術政策局(OSTP)発表によれば、連邦研究施設における最近のバイオセーフティ事故を受けて、米国政府は国のバイオセーフティ・バイオセキュリティを強化・推進する一連の措置をとってきた。その中には感染性病原体の保管・処理に特に関係する業務見直しの緊急対策および長期的対策が含まれる。
上記見直しの一環としてOSTPおよび保健福祉省はこのほど、米国政府が「機能獲得型」研究として知られるライフサイエンス研究の一部が関与する利害を評価する審査プロセスを開始する旨発表した。「機能獲得型」研究には病気の経路をより正確に把握するという究極の目標があるので、感染性病原体の能力を増強して病気を起こさせる狙いがある。
このたび開始される審査プロセスでは審査期間中に「機能獲得型」研究の利害に関する主要な問題を取り上げるので、米国政府はインフルエンザ、SARS、MERSウィルスなど特定の「機能獲得型」実験を含む新規研究のすべてに対してファンディングの中止を定める。このファンディングの中止は特に、結果としてウィルスが病原性を高め哺乳類の呼吸器経路で感染性を高めるような属性をインフルエンザ、SARS、MERSウィルスに授けることが相当程度予想される「機能獲得型」研究プロジェクトに適用される。
審査プロセスには性格は明確に異なるが相互補完的な2つの組織が関与する。バイオセキュリティ国家科学諮問委員会(NSABB)および全米アカデミーの全米研究会議(NRC)である。
ファンディングの中止が解除されるのは、政府が上記審査プロセスに基づいた「機能獲得型」研究に関する連邦政府の方針を採択した時点であるが、2015年になると予想される。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]