[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国原子力公社(UKAEA)
元記事公開日:
2024/09/03
抄訳記事公開日:
2024/10/07

核融合発電所の設計で世界をリードする英国

UK leading the world in fusion powerplant design

本文:

(2024年9月3日付、英国原子力公社(UKAEA)の標記発表の概要は以下のとおり)

王立協会が、英国が核融合エネルギー発電所の設計において最先端を走るとする査読付論文を発表した。同論文では、英国初のプロトタイプ核融合プラントを設計・建設する先駆的なプログラムである「STEP(Spherical Tokamak for Energy Production、エネルギー生産のための球状トカマク)」の技術的進歩について詳述している。設計の完全なスナップショットの公表は今回が初めてであり、世界初のプロトタイプに必要な技術と、核融合発電用プラントにそれらの技術がどのように統合されるかについて概説している。

STEPは、正味の発電エネルギー、燃料の自給自足、プラント・メンテナンスの実行可能な方法を実証することで、核融合の商業的な利用可能性への道を開くことを目指す。これにより、新しい産業の発展が刺激され、英国は商業上の最前線に立つことになる。

本プログラムは、廃炉措置も設計の一部として考慮した、完全稼働可能なプロトタイプ・プラントを提供すべく総合的なアプローチを採用している。トカマク方式は核融合を起こす最も先進的な方法として選定された。球状トカマクは従来のトカマクよりもコンパクトで、コストを最小限に抑えながらエネルギー出力を最大化することを目的とするもので、出力規模の拡大を容易にできる可能性がある。

STEPは、ノッティンガムシャー州ウェスト・バートンの旧石炭火力発電所の跡地に建設される予定で、地盤と環境の調査による特性評価作業が順調に進んでいる。最初の運用は2040年代初頭が見込まれる。
STEPは、官民パートナーシップに基づく運用組織を形成するという点でも特徴的なプログラムである。UKAEAと協働する産業界の主要パートナーとして、工学分野および建設分野の企業の選定が現在進められている。

[DW編集局]