[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2024/08/16
抄訳記事公開日:
2024/09/19

ドイツ初の量子通信用超小型衛星が宇宙に到達

Erster deutscher Kleinstsatellit für Quantenkommunikation erreicht Weltall

本文:

(2024年8月16日付、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)標記発表の概要は以下のとおり)

靴箱ほどの大きさで重さは4kg未満の超小型衛星がある。この衛星を載せたロケットが軌道に打ち上げられ、宇宙からの安全な通信に一歩近づいた。

量子状態を使用することで盗聴されない方法でデータの送受信を可能とする量子キーが生成される。現時点で量子チャンネルの到達範囲は、光ファイバー網での伝送中の損失のために、約100kmに制限される。将来的には衛星を通して世界中で可能となるはずである。量子テクノロジーは、特に盗聴防止通信にとって大きな可能性を秘めた未来の重要なテクノロジーである。

ドイツで開発された技術:この超小型衛星には、光メッセージ伝送とそれに必要となる衛星の高精度の最新の配置技術が備わっている。これらの技術が現在宇宙でテストされているという事実は開発関係者全員にとって大きな成功であると、シュタルク=ヴァッツインガーBMBF大臣は次のように述べた。「量子通信はITセキュリティ研究の重要な要素であり、ドイツとヨーロッパの通信ネットワークを保護するための重要なテクノロジー基盤である」。

BMBFによる助成:衛星の開発を目的とする共同プロジェクト「QUBE衛星を用いた量子キー通信“Quantenschlüsselverteilung mit Cube-Sat(QUBE)”」は、BMBFにより助成されている。QUBE衛星の開発に当たっては、量子信号を生成するための新技術を開発し、高性能な光通信システムと組み合わせて、両者を超小型のQUBE衛星に組み入れた。

学際的な連携:2024年8月16日、QUBE衛星はFalcon-9ロケットで打ち上げられた。ヴュルツブルグのテレマティクスセンターのコントロール・センターからQUBE衛星の運用が開始された。まず様々なモジュールを段階的かつ広範囲にテストし、その後、数か月以内に最初の量子信号がドイツ航空宇宙センターの地上局で受信され、ミュンヒェン大学と、エアランゲン・ニュルンベルク大学の研究者によって評価がなされる予定である。

[DW編集局]