[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家量子調整室(NQCO)
元記事公開日:
2024/09/06
抄訳記事公開日:
2024/10/11

国家量子イニシアチブ諮問委員会の量子ネットワーキング評価報告書

NQIAC Report on Quantum Networking

本文:

(2024年9月6日付、国家量子調整室(National Quantum Coordination Office: NQCO)の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、国家量子イニシアチブ諮問委員会(NQAIC: National Quantum Initiative Advisory Committee)は、量子ネットワーキングとその技術の研究開発においてテストベッドが果たす役割に焦点を当て、国家量子イニシアチブ(NQI)プログラムに関する2回目の独立評価報告書を公表した。本報告書では、以下の6つの調査結果と7つの政府への提言が示されている。

調査結果:
1. 量子ネットワーキングの能力は米国の経済的繁栄と国家安全保障の一翼を担うが、その役割の大きさは、持続的な研究開発を通じて明らかになる。
2. 量子ネットワーキングの実用化における利点を見極め、理解し、実現するためには、米国政府による研究開発への継続的な投資が必要である。
3. 量子ネットワーキングの研究開発は、他の量子情報科学技術の進歩を補完・強化する。
4. 量子ネットワークに関する 「テストベッド 」という用語は曖昧に使われている。本報告書の勧告では、テストベッドは「コンポーネント技術、プロトコル、システム統合の再現可能で厳密なテストを実行するために複数のユーザーがアクセスできるプラットフォームまたは施設」と定義され、デモンストレーター、プロトタイプ、ユーザー施設とは区別される。
5. 初期の量子ネットワーキングのプロトタイプ、デモンストレーター、テストベッドが稼働中であるが、実用的・経済的なインパクトは確定していない。
6. 量子ネットワーキングのテストベッドは、戦略的に選択され、適切なタイミングであれば、米国の量子情報科学のリーダーシップを強化することができる。

政府への提言:
1. 量子ネットワーキングの基礎・応用研究、関連技術開発への支援を継続する。
2. 量子ネットワーキング技術とその応用を測定する指標の定義、開発、利用を奨励する。
3. 量子ネットワークの機能レイヤーを記述するための協調モデル開発を支援する。
4. 量子ネットワーキングのテストベッドに対する連邦政府の資金支援は、テストベッドが「適切なサイズ」そして「適切なタイミング」である場合にのみ、割り当てられる。
5. 量子ネットワークのテストベッドへの産業界の参加を支援・促進する。
6. 量子ネットワーキングの研究開発において、同盟国等との協力を促進するため、新たな資金配分や新たな仕組みの開発を優先する。
7. 量子ネットワークのテストベッドを活用し、多様な量子人材を育成する。

[DW編集局]