[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究省
元記事公開日:
2024/09/26
抄訳記事公開日:
2024/10/03

博士号取得1年後の就労率は89% 男女差に懸念も

L’insertion professionnelle à un an des docteurs diplômés en 2020

本文:

 高等教育・研究省は9月26日、2020年にフランスの高等教育機関での博士号取得した学生らの就労状況(Taux d’insertion)のデータなどを公表し、取得後1年の就労率が89.0%だったと明らかにした。データに対する同省のコメントは限定的だが、男女差については懸念を示しており、引き続きフランスの課題となりそうだ。主な内容は次の通り。

◆全分野の就労率は89%

 2020年にフランスで博士号を取得した人の1年後の就労率は、全分野では89.0%だった。分野別にみると、精密および応用科学で89.5%、生命科学で88.0%、人文科学で88.1%、社会科学で90.5%だった。

◆学術研究に「高い人気」

 2020年にフランスで博士号を取得した人のうち、1年後に研究部門(官民の別を問わない)で働いている人の割合は72%だった。この研究部門なかで最も割合が高いのは、学術研究(49%)だった。学術研究の割合は特に生命科学部門で強い。同省は、学術研究に「高い人気」(Une bonne attractivité)がみられると分析している。

◆男女間で「根強い差」

 2020年にフランスで博士号を取得した人の性別の内訳は、男性が56.6%、女性は43.5%だった。同省は男女間で「根強い差(De fortes inégalités)」があると懸念している。また期間を定めずに雇用された人の割合(Taux d’emploi stable)は、男性が50.8%、女性が46.7%だった。学術研究を除いた研究開発部門への就労割合が、男女間で「最も差が激しい(les plus différentiés)」数値であると指摘している。

◆外国籍博士の6割はフランスで就労

 2020年にフランスで博士号を取得した人の国籍別の内訳は、フランス人は57.0%、外国人は43.0%だった。取得後1年以内に就労できた人の割合は、フランス人で91.2%、外国人で86.2%だった。また2020年に博士号を取得した外国人のうち、取得後1年の時点では「6割がフランス国内で働いている」とした。

[DW編集局]