[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構(UKRI)
元記事公開日:
2024/09/11
抄訳記事公開日:
2024/10/16

科学最大の謎の一つである暗黒物質を検出する機器の開発が始まる

Work starts on machine to solve one of science’s biggest mysteries

本文:

(2024年9月11日付、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり)

英国では、世界で最も先進的な暗黒物質検出器の計画が進行中である。この検出器は、ボルビー鉱山の地下深部の科学施設に設置される可能性がある。

英国の研究者たちは、宇宙の物質の85%以上を占めると考えられる、暗黒物質粒子を検出するための新しい装置の設計を開始した。UKRIインフラ基金からの800万ポンドの予備助成金が授与され、インペリアル・カレッジ・ロンドンが主導する英国の大学コンソーシアムを支援する。同コンソーシアムは今後3年半にわたり、科学技術施設会議(STFC)のボルビー地下研究所と協力する。

暗黒物質研究で世界を先導するキセノン・ルクス・ツェッペリン・ダーウィン (XLZD) コンソーシアムの一員として、チームは世界最大かつ最先端の暗黒物質検出器の初期計画を策定し、構成機器を設計する。

国際XLZDコンソーシアムの主な目標の1つは、暗黒物質を検出し、その特性と起源を調査するための決定的な実験を行うことである。この検出器は、最大100トンの液体キセノンを収容する地下の大型「魔法瓶」で構成される。科学者たちは、暗黒物質が地球を通過する時にキセノンと微妙に反応すると考えている。微小ながらも検出可能な閃光が、暗黒物質粒子の存在を示す証拠として発生し、科学者が分析できるように記録される。

機器が完成すれば、関連の国際実験がイングランド北東部のボルビー鉱山にある英国の地下深部科学施設で実施されるようになる可能性があり、今回の予備助成金は設置場所の決定にも重要な役割を果たす。もし設置が実現すれば、英国における過去50年で最大の科学プロジェクトになることが見込まれる。

[DW編集局]