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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立宇宙研究センター(CNES)
- 元記事公開日:
- 2025/03/06
- 抄訳記事公開日:
- 2025/04/01
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アリアン6号:CSO-3を軌道に投入、初の商業ミッションに成功
Succès pour la première mission commerciale d’Ariane 6, CSO-3 est en orbite !
- 本文:
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(2025年3月6日付、国立宇宙研究センター(CNES)の標記発表の概要は、以下のとおり)
仏領ギアナ県現地時間の2025年3月6日13時24分(協定世界時(UTC)16時24分、中央欧州時(CET)17時24分)、アリアンスペース社が運用するロケット「アリアン6」は、ギアナ宇宙センターからの2回目の飛行(VA263)を成功裏に終え、宇宙司令部(CDE)のために、軍事省軍事装備総局(DGA)とCNESの委託を受けて軍事観測衛星CSO-3(光学スペース・コンポーネント:Composante Spatiale Optique)を高度約800キロメートルの太陽同期軌道に投入した。同センターからの打ち上げは今年初であり、初めての商業飛行でもある。
◇MUSIS計画の3番目の衛星となるCSO-3
CSO-3は、CSO-1とCSO-2に続き、DGAが主導する防衛目的で地球を観測するための多国籍宇宙画像システム(Multinational Space-based Imaging System:MUSIS)計画の三つ目の衛星である。このシステムは、異なる高度の極軌道に配置された三つの補完的な光学衛星で構成されており、次の二つのミッションに対応するものである。
・「偵察」ミッションは、高度800 キロメートルの軌道上にあるCSO-1とCSO-3を使用して実施され、撮影範囲、戦域把握、および再訪周期に関する性能を重視している。
・「識別」ミッションは、高度480キロメートルからCSO-2を使用して実施され、非常に高解像度で前例のないレベルの精度で画像を得ることができる。これらの衛星ペイロードは、幅広いニーズを満たす多彩な撮影モードによって、可視および赤外線の範囲の高解像度画像が取得できる。センサーは、モノスコピック(2次元画像)または立体(3次元画像)で、欧州では比類のない質の画像を撮影できるように設計されている。
DGAは、CSO衛星の組み立てと打ち上げ、およびミッションの地上セグメント(SSM)の構築に関わるプロジェクト管理をCNESに委任した。CNESは、共同システムアーキテクトでもあり、衛星の打上げ、飛行中の試運転、および衛星の全寿命にわたる軌道上配置を担当している。このように、DGAとCNESは緊密に連携して、さまざまなプロジェクト管理活動を一貫して行うための全体的なアーキテクトとして機能する。CNESチームは、DGAとCDEの統合チームの一員として、基礎研究から衛星の仕上げまで、プロジェクト全体に参加した。CSO衛星の産業側の主契約者は、タレス・アレニア・スペース(Thales Alenia Space)およびエアバス・ディフェンス・アンド・スペース(Airbus Defence and Space)のコンソーシアムである。
◇欧州の宇宙輸送の新たな時代
アリアン6は欧州の新しい打ち上げ機であり、重いペイロードに対応した設計であり、モジュール式で汎用性の高いモデルとして、アリアン5の後継機となっている。アリアンファミリーとしては263回目のこの打ち上げによって、欧州の宇宙輸送は新たな時代に入り、欧州が宇宙へのアクセスの独立性を取り戻し、その宇宙へのアクセスの主権が確保された。
[DW編集局]