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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立宇宙研究センター(CNES)
- 元記事公開日:
- 2025/03/06
- 抄訳記事公開日:
- 2025/04/01
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フランスの宇宙主権を達成するCSO-3
- 本文:
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(2025年3月6日付、国立宇宙研究センター(CNES)の標記発表の概要は、以下のとおり)
CNESは、ロケット「アリアン6」により宇宙司令部(CDE)のため3月6日に打上げられた衛星「CSO-3」に代表されるように、防衛目的の宇宙資産の開発とその運用で大きな役割を果たしている。
◇観測と同定
設計が同じである三つの衛星は、軍事偵察と作戦支援のための観測任務を遂行する。同衛星は、極地を通過する太陽同期軌道で連続的に運用され、毎日、指示された観測区域での作業計画に従って自律的に観測し、通信可能な位置にある地上局に画像を送る。
◇非常に高い情報価値
CSOは、民生部門で同等のものがない解像度の大幅な向上に加えて、可視および赤外線スペクトルの画像を取得し、夜間や日中の視認を可能にする。
写真撮影と赤外線観察の結合という二つのスペクトルバンドで観測するこの能力によって、非常に高い情報収集力が得られる。例えば、熱源の特定や温度測定によって可視バンド画像では識別できない人的活動や産業活動を把握できる。
さらに衛星群は、前世代より機敏性が向上しているという利点を持つ。複数のCSO衛星は、飛行航路の直下の画像の取得だけではなく、あらゆる方角を狙うことができるため、関心領域をより正確に捉えることができる。これにより、1回の上空通過でミッションの目的の最大限の撮像範囲を得ることができる。
◇これまで蓄積されたCNESの専門的能力
CNESは、軍事省軍事装備総局(DGA)からの委任により、CSOの運用を担当している。このミッションには、予備調査からシステム設計までプログラム全体の実施、衛星の全寿命にわたる運用条件下でのサービス提供と保守が含まれる。これは、SPOT計画に始まる50年以上にわたる地球観測分野におけるCNESの専門的能力のたまものである。
これらの光学プログラムの特徴は、民生と軍事の両方のニーズを満たす能力である。1995年に発足したヘリオスファミリーは、SPOTの軍事バージョンである。また、CSOには、CNESが開発したプレアデス(Pléiades)プログラムの成果も反映されている。
◇完全な戦略的自律性
上記のプログラムを通じて、CNESはフランスの戦略的自律性に貢献している。フランスは、宇宙画像を取得するために完全な戦略的自律性を選択した。これにより、サービスの品質に加え、情報の管理と機密性が保証される。CSOは、国家プログラムであると同時に、欧州のパートナーとの間で積極的な運用協力に道を開いている。
◇CNES-宇宙コマンド統合チーム
CNESのチームは、衛星の寿命のあらゆる側面に関与している。ギアナ宇宙センター(CSG)では、CNESが運用を調整し、飛行の安全管理を担っている。打上げ以降の運用は、軍関係者がCNESチームに統合されているCDEと緊密に協力してトゥールーズ宇宙センターから行われる。ここでは、軌道上での衛星の保守、センサーの調整、衝突リスクの評価、衝突防止操作に止まらず、衛星とのすべての通信が実行される。
地上のユーザーセグメントは、防衛側が求める画像ニーズに応じた撮像リストをプログラミングし、CNESに送信して衛星に指示し、運用チームはミッションの円滑な進行をモニターし、画像を処理してユーザーに配布する。
CSO-3によって完成したCSOシステムは、非常に高い遂行能力をもって今後数年間、フランスとその外国のパートナーの観測および検出能力を保証する。CNESは、DGAと協力して、IRIS計画に取り組んでおり、今後10年間で引き継ぐ予定である。
[DW編集局]