国家の方針および政策に基づき、基礎研究と応用研究の一部を国の財政資金で助成している国家自然科学基金委員会は3月27日、中関村フォーラムの開幕式で「2024年度中国科学十大進展」を発表した。分野としては、数学、物理学、天文学、情報通信、化学、エネルギー、地球・環境科学、生命科学にわたっており、約140人の有識者が700以上の研究成果から31件を選出した後、さらに2700人以上の研究者が投票にて10の重要な科学技術成果を「2024年度中国科学十大進展」として選んだ。選出された科学技術成果は以下のとおり。
① 月探査機「嫦娥6号」の月の裏側サンプル採取による28億年前の火山活動の発見
② 大規模光コンピューティング・チップによる知的推論と学習
③ モノアミン神経伝達物質トランスポーターと精神疾患治療薬の関係解明
④ 原子スケールで再構成可能な光周波数コムを用いたフェーズドアレイを持つナノレーザーの開発
⑤ スピン超固体における巨大磁気熱量効果と極低温冷却の新たなメカニズムの発見
⑥ 他家CAR-T細胞療法による自己免疫疾患の治療
⑦ 余分なX染色体が男性生殖細胞の発達に及ぼす多元的影響の発見
⑧ 凝縮系物質中の重力子モードの実験・発見
⑨ 高効率アクチノイド系超小型原子力電池の開発
⑩ 超大質量ブラックホールが宿主銀河の形成・進化に及ぼす証拠の発見

[DW編集局]