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国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2025/04/03
抄訳記事公開日:
2025/04/30

米国労働者の3人に1人がSTEMM従事者、GDPの4割近くを創出

One Third of Americans Work in STEMM Jobs Accounting for 39% of GDP, According to Economic Impact Study

本文:

(2025年4月3日付、米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science:AAAS)の標記発表の概要は以下のとおり)

AAASのイニシアチブである“Science is US”は2025年4月3日、新たな調査報告書「働く科学:米国の繁栄を支える人々と産業(Science at Work: The People and Industries Powering America’s Prosperity)」を発表した。

報告書によると、科学・技術・工学・数学・医学(STEMM)分野に従事している米国民は現在7,360万人を超え、過去2年間で9.7%増加している。これは、米国の全労働人口の34%を占め、国内総生産(GDP)の39.2%(10兆8,000億ドル)に寄与している。

その他の主要な調査結果は下記である。
▽STEMM従事者のうち、53%(3,550万人)は学士号を取得していない。一方、高卒または同等の資格を持つSTEMM従事者(18.8%)は、修士号(12.9%)や博士号(5.5%)を持つ人よりも多い。
▽STEMM従事者は、総額20兆ドル以上の売上高を生み出し、6兆9,000億ドルの労働所得、1兆6,000億ドルの連邦税収および7,150億ドルの州・地方税収も生み出している。
▽STEMM従事者の年収中央値は9万4,003ドルで、非STEMM従事者の5万2,354ドルを大きく上回っている。
労働省の労働統計局によると、2023年から2033年にかけてのSTEMM分野の雇用見通しは他の産業セクターよりも高く、今後10年間でSTEMM労働需要は10.5%増加すると予測されている。特に成長が著しい職種は、データサイエンティスト、情報セキュリティアナリスト、医療・健康サービスマネージャー、コンピュータ・情報研究科学者、オペレーションズ・リサーチアナリストなどである。
AAASの政府関係最高責任者ジョアン・パドロン・カーニー(Joanne Padrón Carney)氏は、「STEMM従事者は米国経済に重要な貢献をしており、米国はこの労働力を育成・優先支援する機会を持っている。研究活動に対する連邦政府の支援を強化し労働力の安定性を高めることにより、世界中からSTEMMの才能を引き寄せ、持続的な経済成長と競争力を維持できる。」としている。

[DW編集局]