[本文]
-
- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 大統領府
- 元記事公開日:
- 2025/05/05
- 抄訳記事公開日:
- 2025/05/15
-
「Choose Europe」も始動 3年間で欧州は5億、仏は1億ユーロ投資へ
- 本文:
-
欧州委員会は5日、欧州に世界各地から優秀な研究者を支援して招き入れる施策パッケージ「Choose Europe for Science」(CES)を正式にスタートさせた。フランス政府が4月18日に始動させたばかりの「Choose France for Science」(CFS)のいわば”全欧版”であり、2025~27年の3年間で欧州委はCESに5億ユーロ、フランス政府はCFSに1億ユーロをそれぞれ投資するという。
この日はマクロン大統領の呼びかけにより、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長やフランス国内の高等教育・研究機関の幹部、欧州で活動する研究者ら約100人が、パリのソルボンヌ大学に集結。パネルディスカッションなどを行い、欧州では研究の自由を担保することで優秀な人材を引きつけていくべきだ、との意思を参加者で確認した。
集会の後半で演壇に立ったフォン・デア・ライエン委員長は、2025~27年の3年間で、欧州としてCESに5億ユーロを投資する方針を正式に発表するとともに、欧州研究会議(ERC)の枠組みにより、優秀な研究者を7年の長期にわたって助成するプログラムを始めることにも言及。「われわれのメッセージはシンプルだ。科学を選べ、欧州を選べ、ということだ」と述べた。
次いでマクロン大統領が登壇し、名指しは避けつつも「世界最大の民主主義のあの国が研究の支援プログラムを削減するとは、30年前からイノベーションで欧州より先を行っていたあの国がこのような過ちを犯すとは、数年前には想像もできなかったことだ」と暗に米国を批判。「あれもするな、これもするなという政府の押しつけを拒み、自由に科学することを愛そう。自由で開かれた科学なくして民主主義は長続きしない。欧州はそのシェルターであるべきだ。その意味で、欧州委が5億ユーロを投資して人材を迎える施策を打つことはきわめて重要だ」と訴えた。そのうえでマクロン大統領は「CFSも同じ狙いで行う」として、フランス政府としてCFSに1億ユーロの投資を行うことを明言した。
[DW編集局]