[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2025/04/28
抄訳記事公開日:
2025/05/27

DOE長官、ポーランドで開催の「三海域ビジネスフォーラム」にて基調講演

Energy Secretary Chris Wright Delivers Keynote Remarks at the Three Seas Business Forum in Warsaw, Poland

本文:

(2025年4月28日付、エネルギー省(DOE)の標記発表の概要は以下のとおり)

クリス・ライト(Chris Wright)DOE長官は本日、ポーランド・ワルシャワで開催された「三海域イニシアチブ・ビジネスフォーラム」開会式において基調講演を行い、エネルギーを基軸とした中東欧諸国との連携強化に向けた米国の明確な意志を表明した。

冒頭、10年前に構想された三海域(バルト海、黒海およびアドリア海)イニシアチブの先見性に敬意を表し、米国は引き続き同盟諸国との経済的・戦略的協力を通じ、繁栄と自由を共に築く姿勢であることを明言した。

特に、ポーランドとの原子力エネルギー分野における協力関係については、「戦略的かつ長期的なパートナーシップ」と強調し、再生可能エネルギーや液化天然ガス(LNG)に加え、原子力を中核とするエネルギー協力は、今後世紀を超えて両国を結ぶ礎となるとした。

また、エネルギー政策の岐路に立つ欧州に向けて、過度な気候変動対策がもたらす負の影響に懸念を表明した。特に、欧州における一方的な規制主導のエネルギー政策が、自由、繁栄、さらには国の産業競争力を損ねている現状を、具体的な統計データを交えて論じた。

「気候変動は現実の物理現象であるが、それが最も喫緊の課題とは言えない」との主張の下、2億人以上が未だ基本的なエネルギーサービスにアクセスできない世界の現実を挙げ、エネルギー格差の是正こそが現代の最重要課題であると力説した。特に、天然ガスと原子力こそが、信頼性と経済性、そして安全保障を兼ね備えた「現実的な解」として位置づけられるべきであると述べた。

最後に、「中央ヨーロッパの諸国は、歴史を通じて常に自由と主権を選び取ってきた」と称賛した上で、「エネルギーの自由と市民の繁栄を軸に、米国と共に歩むことを心より歓迎する」と語りかけ、トランプ政権が掲げる「内なる繁栄と外なる平和」の理念を共有する国々との連帯を呼びかけた。

[DW編集局]