[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
保健福祉省(HHS)
元記事公開日:
2025/05/01
抄訳記事公開日:
2025/06/02

HHSおよびNIH、パンデミック関連ウイルスに対する汎用型ワクチンプラットフォームの開発を発表

HHS, NIH launch next-generation universal vaccine platform for pandemic-prone viruses

本文:

(2025年5月1日付、保健福祉省(Department of Health and Human Services:HHS)、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の標記発表の概要は以下のとおり)

HHSおよびNIHは、パンデミックの脅威となり得る複数のウイルスに対し、広範な免疫応答を可能とする次世代ユニバーサル(汎用型)ワクチンプラットフォーム「Generation Gold Standard」の開発を発表した。本プラットフォームは、ベータプロピオラクトン(BPL)により不活化された全粒子型ウイルス(whole-virus)を基盤として構成されている。

本取り組みは、NIHが所内で実施する汎用型のインフルエンザおよびコロナウイルスワクチンの研究開発に資金提供するものである。候補ワクチンにはBPL-1357およびBPL-24910が挙げられ、これらはH5N1型鳥インフルエンザ、SARS-CoV-2、SARS-CoV-1、MERS-CoVといった複数のパンデミック関連ウイルスに対して、広範な防御の提供を目指している。

本プラットフォームは、NIHの国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が独自開発しており、主な特徴は以下の通りである。

▽米国のパンデミック対策の再構築:ウイルスの構造的完全性を保持しつつ、BPLにより感染性を除去した全粒子型ワクチンにより、強力なB細胞・T細胞応答を誘導し、多様なウイルスファミリーに対して長期的な防御を提供する。特にBPL-1357は鼻腔内投与型として設計され、ウイルスの伝播を遮断する能力を備える点で革新的である。

▽政府主導による透明性と説明責任の確保:NIHにより開発・所有され、商業的利害関係から独立した透明性と公的責任を担保する。

▽ワクチン開発の未来:インフルエンザおよびコロナウイルスにとどまらず、将来的にはRSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルスにも適応可能である。また、抗原変異を引き起こすことなく鳥インフルエンザに対する防御を提供するという、予防的パンデミック対策における前例のない革新を実現している。

ユニバーサルインフルエンザワクチンの臨床試験は2026年に開始予定であり、BPL-1357については2029年の食品医薬品局(FDA)審査が見込まれている。

[DW編集局]