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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2025/05/21
- 抄訳記事公開日:
- 2025/06/18
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欧州委、簡素化オムニバス・パッケージの第4弾を提案
Simplification measures to save EU businesses €400 million annually
- 本文:
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(2025年5月21日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会は、EU域内企業の年間管理コストをさらに4億ユーロ削減するための新たな簡素化措置を提案した。「小規模中堅企業(SMC:Small-Mid Caps)」と称される企業区分の創設により、コンプライアンス義務を軽減し、成長と投資に向けて経営資源を開放する。
従来、中小企業は従業員250人を超えると大企業に分類され、規制負担が急増することが成長を阻害し競争力を低下させる要因とされてきた。今回の提案では、従業員750人未満、売上高1億5,000万ユーロ以下または総資産1億2,900万ユーロ以下の企業をSMCsと定義する。SMCに該当する約3万8,000社に対し、中小企業(SME:Small and Medium-sized Enterprises)向け優遇措置や簡素化された規制措置の適用を拡大する。
その他、主に以下の施策が講じられる
・約1万社を対象に、2026年からフッ素系温室効果ガスの登録義務を免除
・一般データ保護規則(GDPR)における記録保持義務の簡素化
・紙ベースの適合宣言書や使用説明書を廃止し、デジタル移行を推進
・EU統一基準がない製品の適合性証明手続きを簡素化
・バッテリー産業向けデューデリジェンス義務の段階的導入を円滑化欧州委員会は、イノベーション、成長、良質な雇用および投資を促す持続可能な規制環境の構築に向け、不要な官僚主義的負担の抜本的な削減を進めている。2029年までに企業全体の管理負担を25%、中小企業については35%削減するという目標を掲げており、本提案はその一環として位置づけられる「簡素化オムニバス・パッケージ」の第4弾である。第5弾のパッケージは2025年6月に公表予定で、防衛分野への対応が焦点となる見込みである。
[DW編集局]