[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
EU理事会
元記事公開日:
2025/05/21
抄訳記事公開日:
2025/06/20

EU理事会と欧州議会、危機管理のための強制ライセンス規則案を暫定合意

Crisis preparedness: Council and Parliament strike deal on last-resort patent licensing

本文:

(2025年5月21日付、EU理事会の標記発表の概要は以下のとおり)

EU理事会と欧州議会は、危機管理を目的とした強制ライセンス制度に関する規則案について、暫定合意に達した。EUが導入を目指す本制度は、パンデミックや自然災害等の非常時において、域内市場における重要製品の供給を確保するため、特許等の知的財産権を権利者の許諾なしに使用可能とする危機対応ツールである。

今回の合意では、当該制度が「最終手段」であることを明確化し、ガス、半導体、防衛関連製品を対象外とするとともに、営業秘密の開示を義務付けないことを明確にした。

現行制度では、強制ライセンスは各加盟国で規定されており、国境を越える緊急事態への対応が断片的となるリスクが指摘されていた。これに対し、欧州委員会は、EU全体で統一的に運用される強制ライセンスの枠組みを提案した。

さらに本合意は、自主的なライセンス契約の優先を明記しており、知的財産権者とライセンスの潜在的利用者との間で合理的な期間内に合意が成立しない場合に限って強制ライセンスの発動が可能となる。

[DW編集局]