[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
政府説明責任局(GAO)
元記事公開日:
2025/05/29
抄訳記事公開日:
2025/06/27

NIHの研究助成金監督体制にGAOが勧告 報告遅延と未使用資金管理に課題

National Institutes of Health: Monitoring of External Research Can Be Improved

本文:

(2025年5月29日付、政府説明責任局(GAO)の標記発表の概要は以下のとおり)

GAOは、国立衛生研究所(NIH)における研究助成金の監督方針および手続きの見直しに関する報告書を取りまとめた。本報告書は、NIHが交付する助成金および共同研究契約に焦点を当て、以下の3点について分析を行っている:
(1)2014から2023年度にかけての助成金交付額および監督スタッフ数の推移
(2)NIHの方針が助成金の適切な使用をどの程度担保しているかの評価
(3)未使用資金の繰越しを抑制するための方針と運用手順の検証

NIHは、国民の健康増進という使命のもと、2023年度には外部の生物医学研究に対し約350億ドルの資金を助成した。NIH職員は、助成金を受給する大学や研究機関から提出される財務報告書および進捗報告書を精査することで、その資金の適正な運用を監督している。

しかし、GAOの調査によれば、報告書の提出が遅延した場合にNIHが一貫した対応を取っておらず、さらに、NIHを構成する各研究所およびセンターにおいて、助成金の未使用残高が十分にモニタリングされていない実態が明らかとなった。これらの問題は、不正支出の早期発見や、助成金が適正な額で支払われるようにするための管理体制を弱体化させている可能性がある。

こうした課題を踏まえ、GAOはNIHに対して以下の3点を勧告した:
(1)最終財務報告書および進捗報告書の延滞の要因を特定し、適切な対処を講じること、
(2) 未使用の助成金残高を効果的に管理するための情報リソースを整備すること、
(3) NIHの各研究所およびセンターに対し、助成金ポートフォリオ全体における未使用残高の把握を義務付けること。

これらの勧告に対し、NIHはすべて受け入れる姿勢を示している。

[DW編集局]