（2025年5月27日付、科学・イノベーション・技術省（DSIT）、Feryl Clark議員による標記発表の概要は以下のとおり）

英国政府は、EUとの新たな人工知能（AI）連携計画の支持により、医療やクリーンエネルギー技術などの分野における、生活を根本から変革し得る先進的革新技術の実現を、今や現実的な射程圏に収めつつある。

本日より、英国の公的研究機関は、国内における「AIファクトリ・アンテナ（AI Factory Antenna）」の設置に向けた申請を行うことが可能となった。この拠点設置により、英国の高度な研究能力と、欧州各地に展開する最先端のスーパーコンピュータ群を連携することになる。

膨大なデータと極めて複雑なモデルの処理を可能とする高性能計算能力へのアクセスは、AIの進歩の原動力である。国際的な連携強化により、気候変動や各種疾病といった地球規模の課題への対応、医療やエネルギー分野で使用される高度なAIシステムの開発支援、そして政府の「変化に向けた計画」の中核的ミッションである経済成長の加速が期待できる。

こうした背景から、計算資源分野における国際協調の拡大は、経済全体におけるAIの活用を加速するための戦略的指針である「AI機会行動計画」において最重要な推奨事項の一つとして位置づけられている。

本日の発表は、今月初めに英国首相が合意に至った新たな英EU協定を受けたものである。今回の関心表明（expression in interest）では、申請主体を公的研究機関もしくはコンソーシアムとし、欧州高性能コンピューティング共同事業(EuroHPC)による500万ユーロ提供の公募に対し、英国政府が応募支援する対象組織を絞り込む。選定された機関は「AIファクトリ・アンテナ」になり、大陸のAI研究所（AI Laboratory）との連携を通じヨーロッパのスーパーコンピュータのゲートウェイとなる。

[DW編集局]