[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/06/04
抄訳記事公開日:
2025/07/04

欧州委、2025年欧州セメスター春季パッケージを発表 研究・イノベーション強化に向け国別の推奨事項を提示

European Semester Spring Package: boosting research and innovation for competitiveness

本文:

(2025年6月4日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会は、2025年の欧州セメスター春季パッケージ(2025 European Semester: Spring package)を発表し、加盟国に対して研究・イノベーション(R&I)への投資および制度改革の取り組みを一層強化するよう促した。この年次パッケージは、経済・社会政策に関する国別の具体的な指針を示すものである。

2025年版では、加盟各国の競争力強化と持続可能な成長の原動力として、研究・イノベーション(R&I)を中核に据えている。「競争力コンパス」が定める政策枠組みと、「ドラギ報告書」における戦略的洞察を踏まえて構成されている。

春季パッケージでは、各国の成長と持続可能性を阻む研究・イノベーション分野における根深い課題を詳述している。また、これらの課題を乗り越えるために、研究が果たし得る役割についても推奨事項を提示している。

報告書によれば、すべての加盟国が以下に示すような研究関連の広範な課題に直面している。
▽官民双方からの研究開発投資が不十分かつ不安定であり、長期的な研究イニシアチブやイノベーションの創出が阻害されている。
▽生産性と競争力の強化に不可欠であるにもかかわらず、研究の卓越性をスケーラブルかつ破壊的なイノベーションへと結実させる上で構造的な障壁が存在する。
▽企業によるデジタル技術の導入と統合が遅れており、デジタル変革や効率性向上の機会が逸されている。

これらの状況を踏まえ、2025年春季パッケージでは、欧州全体の研究・イノベーション(R&I)能力の強化を目的として、26の各国別に前例のない推奨事項が示されている。
これらは以下の重要分野に焦点を当てている:
・投資の拡充
・公的研究機関間の調整と統括
・R&Iのガバナンス改善
・研究キャリアの魅力向上と安定性向上
・学術界と産業界の連携強化
・イノベーションを支える政策の拡充
・ベンチャー・キャピタルおよびスタートアップ・エコシステムの強化

[DW編集局]